こんにちは。
よりみちねこです。

昨夜このドラマ観て、久々感動した。

「一千兆円の身代金」フジテレビ 2015年10月17日夜10時 土曜プレミアム

何気に観た。
それほど期待していなかった。
他にいくつか重なって録画してたので、これはリアルタイムで観るしかなかった。
近頃にしてはgoodなスペシャルドラマだった。
こっちを録画しておけばよかったな、と思うくらい。

出だしが「相棒」のようだった。
東京を上空から映し出して、不気味さを煽る「あれ」だ。

そう思っていたら、「革命係」と誘拐犯が名乗った。
?・・・「特命係」のパロディ?
いや、失礼。オマージュ?

誘拐犯は平岡ナオト35歳(香取慎吾)。
世代間格差に不満を抱き、「嘆願ブログ」で、国政への意見をつづっていた。
高校生のときに、不況のあおりを受けて、父親の工場がつぶれ、自殺した。
兄夫婦とその子どもたちも、一家心中で亡くなっており、ナオトは孤独。
ガンが全身に転移しており、余命わずかと知ってから、政治への意見を始めた。

誘拐被害者は、篠田真由10歳(本田望結)。
元副総理大臣・国武義和の孫。
母(木村多江)が国武の娘。父(前川泰之)は医師。
夫婦関係は良くない。国武は、跡継ぎに孫息子を望んでいる。
真由はひとりぼっち。

ナオトと真由は、真由の父親の愛人を通して知り合う。
そして、真由が誘拐され・・・。

ナオトは1085兆円を要求する。
それは、国の財政赤字の額だった。
「この金額を国内にばらまけばインフレが起き財政赤字額が大幅に目減りするが、金額を用意しない場合は財政危機を招くことになるため責任をとって国民に対し公式謝罪しろ」

国武は、かつて、政治資金規正法違反に問われながら不起訴になっていた。また、バラマキ政策が今時代の混乱を招いていると、ナオトは主張。
国武は、女性をバカにし、こんな美味しい仕事やめられるかと豪語する、ただの、いや、ただのどころか、下劣な政治屋だった。

「相棒」の「ボーダーライン」を思い出した。
貧困で死んでいった青年の悲しい話。

メディアが政権与党の圧力に委縮している、とくにこの1~2年。
数少ない、直接的政治批判を含むシリアスサスペンスだったように思う。
原作ものではあるが。

刑事たちが良かった。
権力サイドではなく、ナオトの側に立っている。
事件を追う二人、片岡(杉本哲太)と今村(仲里依紗)はもちろんだが、
宮坂管理官(宮川一朗太)も、国武元副総理の態度に苦言を呈する。

結局、この「革命係」なるものによる誘拐事件は、
「ナオトと真由の革命」だった、と分かる。
二人はそれこそ「相棒」だったわけだ。

真由は母の愛を取り戻すため、
ナオトは、国への復讐・・・というよりも、若者たちを喚起するためだったのだろう。
そして、二人に通底するのは「孤独」。
そもそもこの誘拐、真由に頼まれたものだったから、ナオトの一番の動機は、真由を孤独から救うため、だったのかもしれない。

母の愛を取り戻したことをテレビ報道で知り、
真由は学校へ戻る。テストを受けるため。
ナオトは、逃亡して生き延びることを真由と約束するが、
マスコミの前に現れ、若者たちに向かって叫ぶ。
自分たちで変えていくんだ!と。
そして、自分を刺す。

なんだかね、泣けてきた。
ナオトと真由の関係が、ピュアで痛々しい。

香取慎吾の鋭い演技と、本田望結の抑えた演技が秀逸。

こんな救いようもなく見えている世の中。
道端で、痛みを覚えうずくまっているナオトに、大丈夫か?と声を掛ける警察官(北山宏光)。
薬をのむための水を自動販売機で買ってきてくれた。
お金はいいよ、どこかで募金でもして、と言って立ち去る。
こんな良い人もいるんだと、とナオトの心が癒される。
こういう人がたくさん増えれば、世の中が変わっていくんだ、と。

事件は収束したが、国武元副総理は何も変わらない。

演出的には、
途中、ナオトと真由が共犯だと分かったとき、
え?じゃあ、最初のあれは?と首を傾げた。
無理やり車に連れ込まれて、隠れ家でおびえている真由の様子。
ドラマの最後、
その首を傾げるシーンが、切り取られた場面だったことが分かる。
この手法がベストなのかな?

借金地獄から抜け出せない!不思議の国のナオト
嘆願ブログの記事
「革命」
「未来の子供たちのために」
は、こちらから読めるよ。

おまけ
朝の情報番組「とくダネ!」が出てくる。
なんと、小倉さん、菊川怜さんとともに、コメンテーターに古市憲寿さんも。
まじめに犯人について、いつも通りの口調でコメントしてたよ。
なかなかよかった。
政治についての街角インタビューなんかも入れて、臨場感もあった。

特別ドラマ枠での、久々の良い作品だったと思う。

あの警察官のようないい人が増えれば、世の中は変わっていく。
社会は、自分たちの手で変えていくものだ。

そんなメッセージを、よりみちねこは受け取った。
ちょうどこの夏、自ら動き始めた若者たちが国会前に集合していたね。