こんにちは。よりみちねこです。
かなり古いドラマ。
「サトラレ」
2002年テレビ朝日夜9時
脚本 尾崎将也/ 吉田玲子
原作 佐藤マコト
全10話
「サトラレ」とは、あらゆる思考が思念波となって周囲に伝播してしまう症状を示す架空の病名またはその患者をさす。正式名称は「先天性R型脳梁変成症」。サトラレは、例外なく国益に関わるほどの天才であるが、本人に告知すれば全ての思考を周囲に知られる苦痛から精神崩壊を招いてしまうため、日本ではサトラレ対策委員会なる組織が保護している、というのが物語の基本構造となっている。
つまり、「サトラレ」は、自分の心の声が周辺の人たちに全て聞こえてしまうという特異体質の持ち主。
「サトラレ」に「サトラレ」であることを気づかれてはいけない、ということは全国民に知らされている。
もちろん、「サトラレ」本人も「サトラレ」という存在がいるということは知っているが、自分が「サトラレ」だとは知らない。
「サトラレ」が「サトラレ」に会ってしまうこともご法度。
なぜなら、自分が「サトラレ」だと分かってしまうから。
「サトラレ」が「サトラレ」だと分かってしまうと、おそらく自殺してしまう。すでに一名自殺している。
ゆえに、「サトラレ対策委員会」なる組織があり、常に「サトラレ」とその周辺を監視している。
ちなみに「サトラレ」はみな天才。
「サトラレ」である里見健一(オダギリジョー)は、臨床医を目指しているが、「サトラレ」ゆえ、病院では臨床医には向いていないと外来も手術もあまり任せてもらえず、不満を抱え、さらに自信を持てずにいる。
病院では、里見の心の声が常に聞こえ、みんな迷惑している。
「サトラレ対策委員」から派遣されている二人、藤堂(杉本哲太)と千春(神田うの)が常に見張っている。
藤堂は里見の母親・弘子(風吹ジュン)が営んでいる小料理屋にも頻繁に出入りして、弘子との対話を欠かさない。
病理医の星野法子(鶴田真由)が、この病院へ赴任してきた。
法子は、「サトラレ」の心の声に反応しがちで、危うい存在。
しかし、二人は次第に惹かれ合っていく。
悩んでいる声や、医師や看護師たちへの思いの様々が、正直に聞こえるのが、
悪口のようなときもあるが、賞賛や感動だったりもする。
その声の内容から、里見は極めて純真であることが分かる。
自分について悩んでいるときの声などは、「サトラレ」ゆえの悩みゆえ、なんとも同情的。
9話では、母親・弘子の末期ガンが発覚。
弘子の希望で、健一が手術することになる。
その心の声は、病院中に聞こえ渡る。みんな感動し、応援する。
開いてみると難しい場所にもガンがあり、結局、全てを取りのぞくことはできなかった。
もちろん、手術の技術は天才的。
母には大丈夫だったよ、と言いながら、
助けられなくてごめん、という心の声が、母にも周囲にも聞こえている。
最終話では、
その純真な思いに惹かれてか、
里見に手術してもらいたいという患者が続出し、病院側も、里見に臨床医としていてもらうことを決意。
が、ある子供に「サトラレ先生」と呼びかけられ、自分が「サトラレ」であることを知ってしまう。
そして・・・。
人の心が読める、という超能力・霊能力を持つ人物の話はよくある。
これは、逆の能力だ。
自分の心を全て人に読まれてしまう。
というか、心の声が周囲に発信されてしまう。そしてそのことに本人は全く気付いていない。
周囲の人々はたまったものではない。
聞きたくなくても聞こえてくるのだから。
うるさい!
アメリカのSFテレビドラマ「スタートレック」に出てくる「ボーグ」は、集合体。
全員がつながっていて、全員が全員の思いを共有している。
それもなれればうるさくないということだが・・・。
人の心が透明になるということは、おそらく進化なんだろう。
何を考えているか全てお見通しなら、悪いことは考えない。恥ずかしいことは考えない。
考えられない?考えないようにする?
でもね、よりみちねこはこのドラマを観て思ったよ。
悩みや、文句的つぶやきも、いささかネガな感想も含めて、
それが正直に、互いに伝わるというのは、互いを知る上でとても役に立つものだ、と。
例えば、
いやなやつだと思ってたけど、頼りにされてるんだな、見直した、というつぶやき。
誰でも、誰にでも、いつもいつもポジに思ってるわけではないだろうし、
誉めてばかりでもない。尊敬してばかりでもない。
ポジもネガも含めて、 人の思いだ。
また、行動に到るまでの思いの経緯というものもある。
行動や対応だけ見れば、誤解も生じる。
その行動の背景にある思いを知れば、人はたいていは納得するのではないか。
誤解のままだと、諍いの原因になってしまうこともある。
実は何も考えてない、単純なやつ、ということもあるけどね。
けれども、おそらく、
その根底に真摯とか愛、感情、心がないとき、
人は、気づくだろう、こいつは本気で悪人だ、と。
ぐずぐずと弱虫だったけど、
里見健一は、とても純粋な心の持ち主だった。
母・弘子にも苦労は多かったが、
でも、育てやすかった、と語っている。
だって心の声が聞こえるんだもの。
何してほしいのか分かる。
なかなか興味深いヒューマンファンタジーだ
機会があれば、ぜひ。
ドラマを楽しもう
かなり古いドラマ。
「サトラレ」
2002年テレビ朝日夜9時
脚本 尾崎将也/ 吉田玲子
原作 佐藤マコト
全10話
「サトラレ」とは、あらゆる思考が思念波となって周囲に伝播してしまう症状を示す架空の病名またはその患者をさす。正式名称は「先天性R型脳梁変成症」。サトラレは、例外なく国益に関わるほどの天才であるが、本人に告知すれば全ての思考を周囲に知られる苦痛から精神崩壊を招いてしまうため、日本ではサトラレ対策委員会なる組織が保護している、というのが物語の基本構造となっている。
つまり、「サトラレ」は、自分の心の声が周辺の人たちに全て聞こえてしまうという特異体質の持ち主。
「サトラレ」に「サトラレ」であることを気づかれてはいけない、ということは全国民に知らされている。
もちろん、「サトラレ」本人も「サトラレ」という存在がいるということは知っているが、自分が「サトラレ」だとは知らない。
「サトラレ」が「サトラレ」に会ってしまうこともご法度。
なぜなら、自分が「サトラレ」だと分かってしまうから。
「サトラレ」が「サトラレ」だと分かってしまうと、おそらく自殺してしまう。すでに一名自殺している。
ゆえに、「サトラレ対策委員会」なる組織があり、常に「サトラレ」とその周辺を監視している。
ちなみに「サトラレ」はみな天才。
「サトラレ」である里見健一(オダギリジョー)は、臨床医を目指しているが、「サトラレ」ゆえ、病院では臨床医には向いていないと外来も手術もあまり任せてもらえず、不満を抱え、さらに自信を持てずにいる。
病院では、里見の心の声が常に聞こえ、みんな迷惑している。
「サトラレ対策委員」から派遣されている二人、藤堂(杉本哲太)と千春(神田うの)が常に見張っている。
藤堂は里見の母親・弘子(風吹ジュン)が営んでいる小料理屋にも頻繁に出入りして、弘子との対話を欠かさない。
病理医の星野法子(鶴田真由)が、この病院へ赴任してきた。
法子は、「サトラレ」の心の声に反応しがちで、危うい存在。
しかし、二人は次第に惹かれ合っていく。
悩んでいる声や、医師や看護師たちへの思いの様々が、正直に聞こえるのが、
悪口のようなときもあるが、賞賛や感動だったりもする。
その声の内容から、里見は極めて純真であることが分かる。
自分について悩んでいるときの声などは、「サトラレ」ゆえの悩みゆえ、なんとも同情的。
9話では、母親・弘子の末期ガンが発覚。
弘子の希望で、健一が手術することになる。
その心の声は、病院中に聞こえ渡る。みんな感動し、応援する。
開いてみると難しい場所にもガンがあり、結局、全てを取りのぞくことはできなかった。
もちろん、手術の技術は天才的。
母には大丈夫だったよ、と言いながら、
助けられなくてごめん、という心の声が、母にも周囲にも聞こえている。
最終話では、
その純真な思いに惹かれてか、
里見に手術してもらいたいという患者が続出し、病院側も、里見に臨床医としていてもらうことを決意。
が、ある子供に「サトラレ先生」と呼びかけられ、自分が「サトラレ」であることを知ってしまう。
そして・・・。
人の心が読める、という超能力・霊能力を持つ人物の話はよくある。
これは、逆の能力だ。
自分の心を全て人に読まれてしまう。
というか、心の声が周囲に発信されてしまう。そしてそのことに本人は全く気付いていない。
周囲の人々はたまったものではない。
聞きたくなくても聞こえてくるのだから。
うるさい!
アメリカのSFテレビドラマ「スタートレック」に出てくる「ボーグ」は、集合体。
全員がつながっていて、全員が全員の思いを共有している。
それもなれればうるさくないということだが・・・。
人の心が透明になるということは、おそらく進化なんだろう。
何を考えているか全てお見通しなら、悪いことは考えない。恥ずかしいことは考えない。
考えられない?考えないようにする?
でもね、よりみちねこはこのドラマを観て思ったよ。
悩みや、文句的つぶやきも、いささかネガな感想も含めて、
それが正直に、互いに伝わるというのは、互いを知る上でとても役に立つものだ、と。
例えば、
いやなやつだと思ってたけど、頼りにされてるんだな、見直した、というつぶやき。
誰でも、誰にでも、いつもいつもポジに思ってるわけではないだろうし、
誉めてばかりでもない。尊敬してばかりでもない。
ポジもネガも含めて、 人の思いだ。
また、行動に到るまでの思いの経緯というものもある。
行動や対応だけ見れば、誤解も生じる。
その行動の背景にある思いを知れば、人はたいていは納得するのではないか。
誤解のままだと、諍いの原因になってしまうこともある。
実は何も考えてない、単純なやつ、ということもあるけどね。
けれども、おそらく、
その根底に真摯とか愛、感情、心がないとき、
人は、気づくだろう、こいつは本気で悪人だ、と。
ぐずぐずと弱虫だったけど、
里見健一は、とても純粋な心の持ち主だった。
母・弘子にも苦労は多かったが、
でも、育てやすかった、と語っている。
だって心の声が聞こえるんだもの。
何してほしいのか分かる。
なかなか興味深いヒューマンファンタジーだ
機会があれば、ぜひ。
ドラマを楽しもう
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