こんにちは。よりみちねこです


「嫌われる勇気」フジテレビ
香里奈/加藤シゲアキ/椎名桔平


犯罪捜査ドラマ。
犯罪者が犯罪にいたる心の動きをアドラー心理学で読み解く。
庵堂蘭子刑事(香里奈)自身の行動も、アドラー心理学に基づいている。
「全ては自分の課題である」がモットー。

人目を気にせず、自分の思うこと、好きなことをすること。
嫌われないかと周囲に合わせたりすることは、本当の自分を生きていないということ、
そういうことを言いたいのだろう。
それが、どう刑事ドラマと結び付くかと期待していた。
蘭子は蘭子の捜査方法で捜査する。それが「自分」。

アメリカの犯罪捜査ドラマ「クリミナル・マインド」では、
心の奥底に潜む犯人の心の動きだけでなく、行動の背景となる生い立ちときっかけをプロファイリングする。
「嫌われる勇気」では、そこまで描いていない。
日本では、なかなか難しいのかもしれない。
もったいない。
アドラーまでたどり着いたのなら、ぜひそこまで描いてほしかった。
というか、これから、そのような犯罪捜査ドラマが日本でも放送されたらいいな、と思う。

個々は自律しているが、
自律している個々は、影響し合っている。
何もないところには何も起きない。
刑事ドラマではないが「わたしたちの教科書」(脚本・坂元裕二/主演・菅野美穂 伊藤淳史)では、その辺りが巧みに描かれていた。

最終話で解決するのは、幼い蘭子の誘拐事件と刑事だった父親と真犯人の関係。
これは、通奏低音。
最近、こういう手法をよく見かける。
つまり、登場人物のごく普通の仲間のなかから真犯人が現れる。
しかも、まったく伏線らしきものがない。
あまりにも唐突。
こういった意外性、驚愕も面白いことは面白いが、あまりに唐突だと興醒めしないでもない。
あ、やっぱり、とか、あ、そういうことかぁ的感情移入がいささかでもあると、戦慄感が増す。

蘭子が故意に忘れている事件当時の記憶を思い出すために、
教授(椎名)とともにワークする。
「犯罪心理学における文脈再現」
教授の質問にしたがって事件のあったときを順を追って思い出していく。
この手法は、「クリミナル・マインド」でもよく出てくる。
「クリミナル・マインド」では、捜査官とともに、目を閉じて辿る。

事件は解決するが、
最後の最後の演出。これ、どうなんだろう。
相棒の青山(加藤)が 、え?もしかして死んだ?と思わせる映像。
そこまでしなくても、と、これも呆れた。

次回作があるのなら、レベルアップに期待する。


「大貧乏」フジテレビ
伊藤淳史/小雪


ラブコメサスペンス。
なかなか面白かった。

詐欺的倒産で失った社員たちのお金を取り戻すまでを描く。
子どもの描き方が今一つだと思っていたが、
ま、この程度で仕方ないのかな、と、許容。

いったい一番の悪人は誰か。
やっぱりこいつか、と裏切らない。
最初はいい人っぽかったけどね。

こういうサスペンス入りドタバタドラマがあっていいと思う。

タイトルで損している。
もう少し、気の利いたタイトルはなかったのか。

伊藤淳史も、すっかり役者として成功してきた観がある。
安定している。

日本のドラマにはユーモアや笑いが少ないが、
伊藤はキャラ的にそれができる役者かもしれない。
単にドタバタすればいい、というものでもないが。


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