よりみちねこです。こんにちは。

今日は、ちょっと横から目線のドラマよりみち評です。

「明日の約束」フジテレビ火曜夜9時

なんだろう、このドラマは。
いわゆる毒親がテーマなのか?
どこに焦点を当てて観たらいいのか分からない。

第1話では、主人公でスクールカウンセラーの藍沢日向(井上真央)が、生徒・増田希美香(山口まゆ)を毒親から救い出すことができた。増田は藍沢のアドバイスによって自分自身で親から離れる道を選んだ。一方で、藍沢は自分の毒親から離れられない。その理由は母親(手塚里美)の左手の麻痺の理由と関係があるのだろうか?
このエピソードでよかったのは、藍沢のアドバイスだ。藍沢は、こうしなさい、と命令するのではなく、幾つかの選択肢を示して、本人に選ばせた点だろう。
そんな感じで次回以降続いていくのかと思いきや、
第1話での伏線にあった生徒・吉岡圭吾(遠藤健慎)の自殺を巡る推理ドラマが始まる。
この事件を通じて、親と子の関係が炙り出されていく、ということか?
それにしても、話が遅々として進まないのが気になる。

もうひとつ気になるのが、男子生徒たちの「顔」。どうしてこんな顔ばかり集めたのか。
つまり、変に似通った美形ばかり。女子生徒のほうは安心してみられる。
例えば2003年のテレビドラマ「ウォーターボーイズ」は、
山田孝之/森山未來/瑛太/石垣佑磨/石井智也など、個性的“面々”。
時代か……。
おっと、今気づいてびっくり。全く余談になるが、
この「ウォーターボーイズ」に星野源も出てたんだ。


「コウノドリ」TBS金曜夜10時

妊娠・出産・子育てのドラマは、問題を抱えている人が多いと思うので、一定の需要があるし、問題のある出産を乗り越えると、感動的なドラマに仕上がること間違いなしなので、大抵の場合、成功する。
なんて感想は、あまりに冷たい、かな。

毎回満足のいくストーリーだと思う。
同時に妊娠・出産・子育てに関する疑問を提示し、ヒントや解決策を与えてくれている。

例えば第3話では、周囲からの迷信にいちいち反応して心配する若い妊婦を描いて、
迷信や噂に惑わされないようにという助言にもなっていた。

ところで、これは直接ドラマのストーリーとは関係ないし、おそらく誰もこんな感想を抱くことはないとは思うのだが、ちょっと気づいたことを書いておく。

彩加(高橋メアリージュン)と康孝(ナオト・インティライミ)。
この夫婦は第1話から登場。
彩加は子供の誕生を楽しみにしているが、仕事のことが心配。出産後は早く復帰したいと思っている。
康孝も仕事が忙しく、協力するとはいいながらも実は無関心。
第2話では、出産後も同様に、康孝はイクメンとか言いながら、何もしない。
彩加は早く仕事に戻りたい。どんどん鬱になっていく。
第3話ではついに、赤ん坊を病院の受け付けに置いて屋上から飛び降りようとする。
康孝も駆けつけるが……。

この康孝、サイコパスかな、と思った。
言葉だけ、なのだ。言葉ではうまいこと言って、自己満足している。そしてそれをひけらかす。

赤ちゃんの心臓にちょっと問題があるかもしれないと分かったときも、
冷静を装って、いや、装っているのではなく、おそらく何も感じていないのだろう、
「だいじょうふだよ、彩加、おれも手伝うから」と言う。
それを聞いていささかむっとした表情の医師・四宮(星野源)。

出産にも立ち会って喜んでいるけれど、
「心臓に穴があいてるのに家に連れて帰るんですか?」と驚き心配する彩加に、
「だいじょうぶだよ、おれも手伝うから」と簡単に言う康孝。
「なに言ってるんだ。手伝う、じゃないだろ、あんたの子どもだよ」と四宮。

1話の最後で康孝は、「ごめん、いっしょにがんばろう」と言うのだけれど。
明日からこの子と二人きりでやっていけるのか怖い、と四宮に言う彩加。
育児休暇を取らなかった康孝(これは社会問題かな)。
ちらかった部屋で茫然としている彩加。
会社ではイクメンと呼ばれていると彩加の母親に言う康孝。

そして、自殺しようとしたところを四宮に救われた彩加。
駆け付けた康孝は言う。
「夫婦はふたりでひとつってお母さんも言ってたじゃない」
「なんだそれ。人間は二人でひとつになんかなれない。死ぬまで一人だよ。たとえ夫婦でも、別々の人間だからこそお互いを尊重しあう。それではじめて助け合えるんだろう」
と四宮が淡々と言う。

第3話の最後。院内コンサートで産科医・鴻鳥サクラ(綾野 剛)のピアノ演奏を聴きながら、
「おれ、イクメンじゃなくて父親になるから」と彩加に言う康孝。
一見、めでたしめでたしの明るいフィナーレだが、
よりみちねこは思ってしまった。あ、これやっぱりサイコパスだ。
言葉だけ。
「イクメンじゃなくて父親」……って。言葉遊び?
これ、治らないだろうなぁ、大丈夫かなぁ、彩加さん、と思ってしまった。

おそらく、康孝役のナオト・インティライミがミュージシャンだからのこういうセリフ、
という演出もあるのだろう。
でもこれって、分かってなのかそうでないのか、
いずれにせよ、無機質な人の特徴がうまく描かれているように思った。