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「デイジー・ラック」NHK
佐々木希/夏菜/中川翔子/徳永えり


普通に面白かった。
なんてことはない、小学校時代からの仲良し4人組の恋と仕事の話。
30歳を目前にして、ここから先のどう生きて行こうか、と悩む。

えみ(徳永)は、新婚。カフェを経営したいという夫の夢に戸惑う。
薫(夏菜)は、エステサロンの営業職をバリバリこなして成功への道を歩んでいる。
ミチル(中川)は、フリーのバッグ職人。自分の仕事にこだわるゆえに売れ行きが芳しくない。
楓(佐々木)は、仕事と恋人を同時に失って、パン職人の道を歩むことにする。

みんな、どうなるのかなぁ、と思って最後まで見届けたが、
ハッピーエンドでよかった。
これ、民放だと視聴率狙いで、もっと騙し合いがあったり悲劇があったり、となりそうだ。思い悩みや事件らしきことはあったが、そこは綺麗にまとめられた。

薫は、男に弱いタイプのようだったので、知り合ったばかりの同業他社の彼にスパイされるよきっと、と予想していたら、そんなことはなかった。
薫も、精神的に自立してドラマが終わったので、ストレスフリーだった。

えみは、夫のカフェを応援しようという気持ちに近づいた。

ミチルは、薫の弟と結婚。もちろん、バッグをつくる仕事も続ける。
ミチルは、たとえ生活費がなくなってもこの仕事やめることはないだろうな、と思わせてくれる職人、芸術家タイプ。ショコタンにぴったりの役柄だった。とても好感がもてた。

主人公の楓は、パン職人の師匠に恋をする。次第に心を通わせていく二人。もしかして最後別れるのかな、と思っていたが、結ばれた。
楓と彼、この二人も自立できていてよかったと思う。
元カノにやり直そうと言われてもゆるがなかった彼。自分が好きなのは楓だ、と。
パリに行くことになった彼についていく予定だった楓は、パン職人修行をしながら日本で待つ決断をする。

恋と仕事に迷いながら、30代をどう生きて行けばいいのかとちょっと迷っていた4人だったが、
誰かに頼り切るのでもなく、誰かに合せるのでもなく、
それぞれが自分というものを見出して、そこを曲げることなく、互いに理解し合っていく道を選んだところが、昭和の男女とかなり違うのかな、と
感じさせてくれるドラマだった。
その観点では、「あなたには帰る家がある」の4人(夫婦二組)は、個性的に見えて、結局のところ依存し合っていた。ゆえに、魅力的な人々ではなかった。反面教師的キャラばかり。

「デイジー・ラック」は、
地味だけれど、登場人物たちの心根は十分に新しい感覚でした。