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「絶対零度 未然犯罪潜入捜査」フジテレビ

スタート時に、面白いドラマだ、と書いた。

アメリカのテレビドラマ「ブラックリスト」的な危険性を帯びた犯罪ドラマがいよいよ?とわくわくしたが、そこまでではなかった。

資料課を隠れ蓑に、「未犯システム」というAIによって割り出されたこれから誰かを殺そうとしている人物に、潜入によって近づき犯罪を未然に防ぐ有能な刑事たちの物語。
「未犯システム」はまだテスト段階。法制化はこれから。

選ばれた刑事たちは、皆それぞれにトラウマを抱えている。つまり、殺したいほど憎むべき存在がいるということ。ゆえに正義のために刑事という仕事をしている。

ドラマ制作として思ったのは、
上戸彩を出す意味があったのかどうなのか、ということ。
「絶対零度」は前2シーズンが「未解決捜査」「潜入捜査」で、上戸彩演じる刑事が成長していくドラマだったようだ。ようだ、と書いたのは、しっかり観たことがないので。あまり面白くなかったので視聴しなかったと記憶している。
アメリカでも人気タイトルの犯罪ドラマは捜査チームを変えて、スピンオフ番組がつくられることは多い。スピンオフのほうが人気が高くなってそちらが中心になることもあれば、いつも成功するとは限らず打ち切りになるバターンもある。
「絶対零度」のホームページにもそのようなことが書いてあり、アメリカ刑事ドラマを参考にしているのは分かった。
が、初回から最終話まで続いていく「謎」が、上戸彩演じる刑事の「謎」とイコールになっており、その「謎」に、新主人公である沢村一樹演じる刑事の「恨みの原因」が深く絡んでいるという、なぜか上戸彩はほとんど最初と最後にしか出てこないのに、注目され続けるという仕掛けになっていた。
視聴率のことを考えた策だったのだろうか、と邪推してしまう。

例えば、「クリミナル・マインド」でも本家本元の捜査官と「クリミナル・マインド 国際捜査班」の捜査官が友人同士だったり、合同捜査するエピソードもあったりするが、基本それぞれ独立している。
私は、むしろ、上戸と沢村は独立させたほうが良かったように思う。
恐れないでどんどん作ったらいいのでは?そこから大ヒット作が生まれますよ。

内容から感じ取ったことがある。
未然犯罪防止システム。
これは、どう役立つのかな、と。
罪を犯しそうな人を先回りして見つけて、本人も助け、被害者も助ける。そんな夢みたいなシステムがあれば、安全安心なのか。
つまり、こういった場合は良いと思う。善良な人が特定の恨みを抱いて、悩んだ末に人を殺そうと決意した場合、その人を犯罪者にしてはいけない、そのためにはぜひとも活用してほしいと思う。ただし、恨みを抱いている相手が法をの手を逃れている悪人であるなら、そいつを裁くシステムが別に必要だと思う。
理不尽に思ってしまうのは、犯罪を繰り返している人間だ。被害者を助けることはすなわち、犯罪者を助けることになる。そして、そいつは何食わぬ顔でまた同じ犯罪を繰り返していくだろうと推測できる。ジレンマだ。
このドラマの刑事たちも、そこに悩んでいた。
ゆえに、ひとりの刑事が征伐を下していた。つまり、殺していました。
平田満演じる刑事。ドラマ中盤で、それが見つかり、自殺します。
いち視聴者として、犯罪を未然に防がれて意気揚々としている悪人どもが
必殺仕事人のごとく制裁を加えられるシーンは正直すっきりした。
理不尽が解消される。

未犯システムなるものは、こうしたジレンマを引き起こすことになるのではないか、と思うと、罪を犯そうとした方にも何らかの法的措置をしたり、学習をさせるシステムが必要ではないか、と思ったりする。

さて、
平田満演じる刑事がいなくなってしまい大変残念だが(とてもナイスなキャラクターだったので)、
沢村一樹の「絶対零度」、シーズン2を望んでいます。