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「ヒモメン」テレビ朝日土曜ナイトドラマ
川口春奈/窪田正孝/勝地涼 他


最終話まで見終えて、はじめて感想を書きます。
何故かと言いますと、第1話を観たとき、
なんだこれは、ひどいドラマだ、観たくない、と思ったからです。
ヒモ男とそれを愛する女の姿が、サイコパスあるいはDV男とそれに騙されて、つまりひどいことをされたあとに優しくされて依存していく女、それを肯定しているドラマだ、と気味悪く感じてしまったからです。

ところがある日、録画を家族が観ていた。これ、面白くないよ、などと主張しながら、しかたなく目に入ってきた。
真面目に観ている私がバカだったということが、2話目を視聴して分かりました。
私は、爆笑していたのです。

あ、そうか、このドラマ、コメディなんだ、コントなんだ。
くそまじめに社会派視点で鑑賞するようなドラマとは違うんだ。

こんなに大声で笑ったドラマは、久々、いや、はじめてかもしれません。
アンジャッシュとかサンドウィッチマンのお笑いだ。

ヒモ男役の窪田正孝と、その彼女(川口春奈)が看護師として働いている病院の医師役の勝地涼の絡み合いがひどく愉快でたまらなかった。
窪田もよかったが、それ以上に勝地の奇抜コメディ顔演技が光っていた。
もうこれだけで十分、コントを楽しめる。

後輩看護師役の岡田結実。さすがお笑い芸人の娘、と言っていいのかどうか分からないが、光っていた。こうした役どころに欠かせない存在になるかもしれない。これからに期待。

あえて難を言うと、川口春名。
いまひとつだったかもしれない。他にぴったりの女優がいるかもしれないと思いをめぐらせて、波瑠はどうかな、と思ったが、目立ちすぎてしまうか…。松岡茉優とか?蓮佛美沙子?佐々木希?松本穂香?
空想はつきない。

ヒモ男のヒモ男セリフが、意外にポジティブに聞こえてくる。
つまり、型破りな思考が、誰がつくったのか分からない常識なるものをぶち抜いてくれる。
誰かを傷つけるわけではないので(世間体としては困ることも多いが)、みんながこんな呑気な生き方をしたら、実は平和と幸福は簡単にやってくるのかもしれない。

ヒモ男は、最大級、社会に世間に抵抗、抗議している存在なのかもしれないな。
「働かないという、働き方改革。」だそうだ。