よりみちねこのドラマカデミア

よりみち視点でドラマをアカデミアするよ。

2015年09月

「まれ」(NHK朝の連続テレビ小説)
2015年4月~9月 

夢追い人の父親に悩まされ続けた家族。
ゆえに、主人公「希(まれ)」(土屋太鳳)は、堅実さを求める子どもに育つ。

が、まれには夢がある。パティシエ。
さまざまな困難を乗り越えて、まれは、パティシエになる。

そういう物語なんだけれど、
ごめんね、正直、よろみちねこは、
あまり感動していない。

どうしてだろう。

最近のドラマにありがちな、盛り込み過ぎストーリーもさることながら、
なんとなく、焦点がぼけているような、
それでいて、先が透けて見えるような、
いや、それは大した酷評の要素にはならないのかもしれない。

登場人物たちは、それぞれみんな、夢を持っているんだ。
まれの父親は、夢追い人の設定だけど、
なぜか、その他の人々は、ある意味いとも簡単に夢を叶えていく。
(いや、もちろん、様々悩みながら、努力しながらだよ)
しかも、なぜかテレビで活躍する。
まるで、テレビに出て有名になることが成功の証し、みたいな。
う~ん、現代社会なるほど、そうなのかもしれない。
目立つこと? 

マンガチックにしているのかもしれないけれど。
ごめんね、よりみちねこはプロの立場ではなく、いち視聴者の立場からあれこれ言っているよ。

土屋太鳳さん、
「花子とアン」では、見事な演技だった。
それもあって、期待は大きかった。 
今回、せっかくの主役だったけど、いささか小さくまとまってしまった、
・・・というか、
いつも驚いて叫んでいる、そんな印象ばかりが記憶に残っている。
息を全部吐き出すようなセリフ。 
元気さの演出なのか。 
いずれにせよ、魅力が半減してしまった。よりみちねこにとっては。

なので、申し訳ないけれど、
がっかり感の強いドラマだった。
なんとか最後まで観たけど。 

あ、でも、これは極めて個人的な感想なので、
感動している人もたくさんいるはず。

観たことない人は、いつかどこかで観てね。

ドラマは楽しい!
 

「表参道高校合唱部」(TBS金曜ドラマ)

「表参道高校」に転校してきた香川真琴(芳根京子)。
両親の母校でもある。
両親が出会った「合唱部」に入るが、廃部寸前。
おまけに学校も廃校の危機にある。

実は、真琴の両親は離婚寸前。
合唱部に伝わる「愛の歌」を探して、なんとか離婚を阻止しようと思っている。

合唱部のメンバーを集める過程で、生徒たちの問題を解決していく。
まあ、よくあるパターン。
顧問の先生、校長先生の問題までも解決。
真琴は、自分のため、合唱のために仲間集めをするわけだけど、
同時に、それが人助けにもなっているという、利自即利他。
エゴにならないところが、天使の天使たる所以(ゆえん)。

短いドラマのなかに盛りだくさん。
イジメっ子とホームレスの父、引き籠り、病気・・・。
いくらドラマでも、そんなに急に解決するかぁ~、と思わないでもなかったけれど、
ま、いっか。
それなりに面白かったし。

合唱もの、ってときどきあるよね。
「カエルの女王さま」(2012年フジテレビ)が記憶に新しいかな。
天海祐希主演。
こちらもやっぱり、財政難から消滅寸前の市のコーラス部を立て直す物語。
面白かったよ。

合唱って、いいんだよね~。
歌は人の心を明るくするし、活性化する。

合唱の物語が登場すると「グリー」と比較されがちだけど、
でも、いいんじゃない?
同じような舞台でもさ。
歌う歌も、歌う人たちも違うわけだし。
それなりに都度、新鮮さはある。と思う。

最終回は、真琴に助けられた部員たちが、真琴の両親を助けることになる。
みんな恩義を感じているんだ。
もちろん、合唱で。ミュージカル仕立てのお芝居。

おまけに、入学希望の問い合わせが殺到して、
表参道高校は廃校からも逃れられた。

「地球はハーモニーを必要としている」 
ドラマタイトルの副題。

今まさにそうかも。
な~んて言うと、政治的評価はするなって言われちゃうかな。

合唱って、きっと、人と人を結び付ける、
そんなツールなんじゃないか、ってつくづく思うよ。
誰かと声を合わせるって、すっごく楽しいじゃない。

なので、ときどき放送してほしいジャンルのドラマ。
という意味でvery goodだった。

追加情報
先生役の 城田優、神田沙也加、高畑淳子、
真琴の両親役の 川平慈英、堀内敬子、
と、歌うまが揃っている。


ドラマ、楽しんで!
 

こんにちは。
よりみちねこです。

「民王」テレビ朝日
2015年9月18日最終回だったね。

今期一押しのドラマだった。

ユーモアと風刺。

総理大臣の父親・武藤泰山(遠藤憲一)と大学生のバカ息子・武藤翔(菅田将暉)が入れ替わってしまう。
(初回の記事も読んでね)↓
 http://drama-de-fantasy.blog.jp/archives/1035209452.html

息子は、漢字も読めずバカかもしれないが、
情が深い。人間の本質を知っている。思いやりの心を持っている。
そう、政治屋たちが持っていないもの。忘れてしまったもの。
ゆえに、総理役をつとめながら、庶民の立場で優しいけど率直な発言、采配をしていく。

評(選挙)と永田町の論理のみで動くようになっていた父親は、
息子の様子を見て、国会議員になったころの自分を思い出す。
妻も、そんな夫に惚れたのだった。

ちょうど、安保法制可決の騒ぎもあり、
タイムリーなドラマだった。

全編を通して、総理となったおバカ息子が、
一話完結のエピソードのなかで、困っている人を助けていく。
政治の「おかしなところ」を正直に指摘することによって、国民の共感を得ていく。
その通りだ!

笑いの要素たっぷりの脚本と演出のなかで、
政治家の誠実な仕事とは何なのかを、深く問い掛けている作品だ、
と、よりみちねこは思う。

ただ面白かったで流してしまうのは、もったいない。

それにしても、こうした実はシビアな内容は、真面目に取り上げるよりも、
ギャクを散りばめることで、柔らかく放送できる、
ということか。
そういう意味では、いわゆる「お笑い」の役目も大きいのかもしれない。
が、最近はそれもなくなってきた。

最近の政治、いや、政治家、いや、政治屋たちの言動、
なんか変過ぎだもんね。

真の「民王」は、現実の世界で現れるのだろうか。
まだまだ先なんだろうな。

ドラマで理想を知ろう。

あ、そうそう、
最終回で、大物議員・城山(西田敏行)が新党を立ち上げるのだが(シロノミクス提唱)、
泰山(総理)の有能な秘書・貝原(高橋一生)が、城山のもとへ行ってしまう。
が、それは、スパイだったのだ。
結局泰山を助けることになる。

現実の世界では、民主党のN議員、本当に民主党なの?
と、今言われているが、
内部に入って不具合を起こす役回りなのか?
そんな人がいても全くおかしくないけどね。
まあ、もともと民主党には、元自民党議員が多いわけで。

でもさ、そんな人たちばっかりの世界が、
平和なわけないよね。
疑心暗鬼の世界。

おっといけない、ドラマ評だったね。

バカバカしく面白いので、
再放送かDVDで観てみてね。

木村拓哉主演の「CHENGE」が観たくなった。
 

「ど根性ガエル」日本テレビ。
2015年9月19日最終回だったね。

言わずと知れたコミック。
アニメでもあった。

それが実写って、すごい、どうなるの?
と思って、全く期待しないで見始めた7月。

意外と面白かった。

脚本は、岡田惠和。
「泣くな、はらちゃん」では、主人公の描くマンガから飛び出してくる「はらちゃん」(長瀬智也)を通して、登場人物たちとともに、視聴者が人間世界を見つめ直すことのできる作品だった。
「ど根性ガエル」。
「泣くな、はらちゃん」と少し、舞台設定が似ている。
主人公たちが働く場所が、工場(かまぼこ屋とパン屋)というのが、まさに彷彿とさせる。
役者も同じ顔があるので、そのせいもあるか。

社会で挫折して、家でフラフラしているニート状態のひろし(松山ケンイチ)。
すでに30歳。
ピョン吉(平面ガエル・声・満島ひかり)、母ちゃん(薬師丸ひろこ)と仲良く暮らしている。
ひろしは、母ちゃんも働いているゴリライモ(新井浩文)が経営するパン工場で働き始める。
自分の人生をどうにかしないといけない。
京子ちゃん(前田敦子)も離婚して帰って来た。
五郎(勝地涼)は、警察官。

そんなこんなを背景としたドタバタ人情喜劇。
8話まで、様々なエピソードとともに、ピョン吉の死(居なくなる)へ向かって物語が進んで来た。
9話で、ピョン吉がいなくなった。
そして迎えた最終回。

結論から言うと、ピョン吉は戻って来た。
京子ちゃんたちの画策の末。

「居てよし」
これは、「すいか」(日本テレビドラマ)の第一話で、
主人公・基子(小林聡美)が自分の人生を思い悩んでいるとき、同じ下宿で暮らすことになる大学教授(浅丘ルリ子)から言われる言葉。
「色々、居ていいんです」
「私みたいな者も、居ていいんでしょうか?」
「居てよしッ!」
力強いセリフ。脚本は木皿泉。
「ど根性ガエル」の最終回、その「居てよし」を思い出した。

ひろしにそっくりな、ひろしという名のおかしな青年が登場する。
背中に蛇の絵が描かれたTシャツを着ている。
おどおどしながら、少しずつ食べ物を盗んで街をうろついている。
たくさん盗んだら迷惑がかかるから、と。

蛙は蛇がニガテ。

「蛇Tシャツのひろし」は「ピョン吉に出会わなかったひろし」なのかもしれない。
パラレルワールド。
そして、彼の身の上話を聞いたみんなが言う。
どんな人でも生きている価値があるんだ、と。

子どものころ、母ちゃんに読んでもらった絵本がある。
ひろしはそれが大好きだった。
大好きなクマといつも一緒の少年。
しかし、絵本の最後で、少年はクマと別れなければならない。
少年の成長とともに・・・。
ひろしはそれがイヤだった。
自分で続きの物語をつくったらしいが、どんな話なのか母ちゃんにも分からない。

誰にでもある、子どものころの大切なアイテム。
その時、どうしても必要だったもの。それは、物かもしれないし、人かもしれない。
でも、気づくと、いつの間にかなくなっていたりする。
自分に必要なくなったから。
そばにあっても、意識から消えている。
消えていくのが自然の流れ。

ピョン吉は、「子ども時代」の象徴なのかもしれない。
ピョン吉と一緒にいる間は、いつまでも「子ども」でいられる。
だとすれば、ひろしが大人になるには、ピョン吉との別離が必要だ。
一度はいなくなったピョン吉。
しかし、ピョン吉が戻ってきたということは、
大人になりきれないひろしを「よし」とする、ということか。
はたまた、
また別の新しい世界が始まったのか。

いや、「居てもよい」のだから、「よし」ってことだろう、
とよりみちねこは理解する。
「居てよし」。

さらに、
薄汚れたトリックのような世の中で、
子どもの心、素直で純粋な心、夢を大事にしろ、ということかもしれない。

人間の人生には、ところどころに岐路がある。
そこには標識が立っているかもしれないし、誰かが立っていてアドバイスをくれるかもしれない。
それに、気づくこともあれば、気づかないこともある。
楽そうなほうを選ぶこともあれば、険しそうな道に入っていくこともある。
あるときは立ち止まったり、疑ったり、戻ったりするかもしれない。
それでも、なんとか歩み続ける。
その先が正解かどうかは分からない。

蛙のひろしと蛇のひろし。
人生の岐路での選択の違いによるひろしの姿なのかもしれない。

あっちの選択をしていたら、あっちの道を進んでいたら、
あのときああしていたら、・・・、
どんな人生だっただろうか?
そんなことを想像する人間は多いだろう。

別の道を選んだ自分がどこかにいて、別の人生を歩んでいるかもしれない。
そんな話をどこかで聞いたことがある。

しょうもないひろしだが、とりあえずおどおどもせず、盗みもしないひろしは、ピョン吉と出会ってよかったようだ。
それでいいんだよ、
ということを教えてくれている蛇Tシャツのひろし、なのか。
そのために現れてくれたのか?

いや、でも、そんなもうひとりの「蛇Tシャツのひろし」にも、
ひろしも母ちゃんも友人たちも、
それでいいんだよ、と励ます。

ひろしは、クマの絵本の物語を終わらせくなかった。
永遠に続く物語。
「果てしない物語」だね。「ネバー・エンディング・ストーリー」。
ファンタジーは、人の心から生まれる。
ファンタジーを忘れると、世界は滅びる。


「今の時代に足りないのはど根性だよ!」(by京子ちゃん)

「ピョン吉と出会わなかったひろしみたいだね」
「自分の居場所がみつからない、生きている価値がない、だから自分は必要ない、それはまちがっているよ。
居場所がみつからなくても、役にたたなくても、生きてていいんだよ、生まれてきたんだから」
実はぴょん吉もおなじことを言っていたのだ、7月にこの物語が始まった時から。
「そんなこと考えてるから、はがれちまうんだよ」
「自分で話を終わりにするようなことは考えちゃダメなんだ」(by母ちゃん)

「どんなやつでも、だめなやつでも、ちゃんと生きれる、そういう社会をつくります」(byゴリライモ)

「あっしも、この街のみんなを、いや、どんな人でも、守っていくのがあっしの一生の仕事でやんす」
(by五郎)

みんなが、ひろしの家の食卓を囲んで、自分自身を生きることを誓う。

そして、なんとピンクのカエルが母ちゃんのTシャツに・・・?


ピョン吉が戻って来た。
そして、ひろしと母ちゃん、友人たちの物語は、
ずっと続いていくんだなぁ~。

余談。
先日のラジオ番組。
岡田惠和パーソナリティー。
ゲストは五郎役の勝地涼。
「あっし」という自分の呼び方。
はじめはどうしようかと思った。警察官なので「自分」と言っていた。
が、思い切って言ってみたら平気だった。
松山さんの演技も激しいので、違和感なくできた。
というようなことを話していたよ。

ピョン吉の声、満島ひかりが秀逸だった。

ドラマを楽しもう!
 

こんにちは。
よりみちねこです。

「リスクの神様」フジテレビ
2015年9月16日最終回を迎えた。

それほど評判にはならなかったけど、
よりみちねこ的には面白かった。

かっこいい造りだった。

音楽も、否、音楽が、良い。林ゆうき。

これも、ゲストスターを迎えての一話完結の危機回避ドラマと、
全体を貫くひとつの物語が重なっているパターン。

主人公、神狩かおり(戸田恵梨香)とリスクの神様・西行寺(堤真一)、
両者の父親とも、企業リスクの犠牲になったという過去がある。

二人が所属する危機対策室のある会社・サンライズ物産。
その関連会社の危機を毎回救っていく。
が、その裏には、
西行寺が、サンライズの犠牲になった父親の復讐を考えているのではないか、という雰囲気を匂わせる。

結局は、サンライズの一番の悪者をあぶりだして物語は終了。
サンライズは救われる。

映画のほうがよいような・・・とは、よりみち考え。
かっこいいから余計そう思う。

「37.5℃の涙」のような、社会的に訴えかけるものは何もない。
いや、逆に極めて社会派。巨大な組織と政治的要素。

「37.5℃の涙」のほうは、庶民の生活と家庭的な背景の不具合。
あくまでも、日常の生活と人生。
もちろん、保育問題にも生活にも人生にも、政治は絡んでいるわけだし、
巨大組織にも政治の世界にも、それぞれの人生、日常生活はある。

「リスクの神様」は、権力と駆け引きの世界観。

失敗したときの上手な乗り切り方指南の裏側、裏事情。
つまり、リスクを抱えているほうも、決して単純な失敗の乗り越え方ではなく、
狡賢さや、詐術的要素が含まれる。
例えるなら、半沢直樹のような。
どちらにも本当の正義はない。

こんな狡さばかりが世の中にまかり通れば、
いや、すでにまかり通っているのかもしれないが、
正直者がバカを見るのは当たりまえかな、
と思わないでもない。

ハードボイルドの感覚で鑑賞するといいかも。

さきほど、
「37.5℃の涙」のような、社会的に訴えかけるものは何もない。
と書いたが、
世の中の暗躍がどんなものかを見せてくれているという意味で、
訴えかけてくれているのかも。

騙されるな!かな?

そんなことあるわけない、
そんなドラマみたいなこと、
とおっしゃる人たちへの警鐘かも。
そこまで大袈裟じゃないけどね。

あ、もうひとつ。
堤真一。
実は、腹に一物、裏切者?的役回り、似合ってる。
「SP」もそうだったよね。

ドラマを楽しもうよ。

こんにちは。
よりみちねこです。

「37.5℃の涙」TBS
2015年9月17日、最終回を迎えた。

病児保育とは何なのか。
働くお母さんと子どもの病気(発熱)の現状を問題提起するドラマでもあった。
でもあった、とは、
つまり、よりみちドラマ評としては、
ドラマを盛り上げる視点のひとつ、
親子の葛藤とトラウマ、呪縛からの脱出、
をより大きなテーマとして捉え、興味深く鑑賞した。

もうひとつの見どころ(とまでは言えないけど)は、
主人公と二人の男性の恋の行方。

主人公 杉崎桃子(蓮佛美沙子)は、病児保育士。
おかしな笑顔が特徴。
実は、桃子は、親から愛を受けずにいじめられて育った。奇妙な笑顔の原因。
保育士としての情熱は人一倍。
ゆえに、家庭の事情にまでうっかり踏み込んでしまうというルール違反をおかしがち。
しかし、その自然の成り行きが、功を奏して、仕事をしながら子どもと向き合う母親に、何かしらの気づきを与えていく、という、天使的存在の役どころ。いわゆるヒーロー型主人公にはよくあるパターンかもしれない。

最近は、毒親などという言葉も周知されて、
親子の葛藤、トラウマは、我慢とか忍耐とかいう不健全な愛情を強いる常識めいたものから、精神科医やカウンセラーによる治療の域へと認知されている。

桃子は、病児保育を通じて、愛を与えながらも、おそらくは、自分自身が癒されていったのではないか。
特に前半はそれが大きかった。
後半は、母親(浅野温子)の精神的暴力の呪縛に発見されて(桃子は家を出ていた)、
洗脳的支配へと戻っていきそうになる。
つまり、子どものころに与えられなかった愛情を、今親切にされることで取り戻そうとする、それを母親は巧みに使って夫(桃子の父親)の介護を押しつけようとする。
桃子はこの日のために産んだのだ、と。

最終回。
桃子を妊娠したとき夫が浮気した、だから自分の幸福を奪ったのは桃子だ、
と、桃子を無視して育てたことの言い訳を桃子に話す母(この母も、実は傷ついている人だ) 。
桃子は、驚くとともに、自分のせいだから病児保育士をやめて母のところへ帰って償わなければならない、
と思ってしまう。
桃子の兄と姉は、母の異常さに気づき、父の死を機に母のもとを離れた。

リトルスノー(病児保育士派遣会社)共同経営者・朝比奈(成宮寛貴)と利用客で桃子に交際を申し込んだ篠原(速水もこみち)が、母親の元から桃子を引き離そうと迎えに行く。
この件(くだり)は、お姫様ストーリーかな。
囚われの身の姫を、王子が助けに行く。しかも二人も?
大きな愛情だ。母親からは貰えなかった愛。

人は、たとえ親から愛を受けることができなかったとしても、
どこか別のところで別の人からもらえるものだ。
それは、心理学や精神医学的に言うと、
決して親と同質ものではないから、代わりにはならない、のかもしれない。
が、受け取らないよりはずっといい。
さらに、気づけばもっといい。それは感謝に変わり、自分を守ってくれる。

結局、父親の遺品のなかにあったテープ、
桃子への謝罪と、お前の居場所はお母さんのところではないというメッセージもあって、
桃子は、母の手を振り払って、リトルスノーへ戻る。

自らを本当の自分に戻すために、切らなければならない間柄がある、
ということを、はっきり教えてくれたと思う。
いやいや、親なんだから、とか、兄弟姉妹なんだから、という、
定番の親切な良い人を装ったアドバイスをする人は、桃子と同じような立場の人たち、そう、例えば今苦しんでいる「あなた」のそばに、いることだろう。
でも、離れていいんだよ。離れるべきなんだ。
それは決して、あなたに愛が足りないわけでも、冷たいわけでもない。
ということを、はっきりと描いていたところを高く評価する。

視聴率はあまり高くなかったようだけど、
よりみちねこは、良質のドラマ、という評価。

さてさて、桃子はどちらと結ばれたでしょうか?
朝比奈?篠原?
再放送か、DVDか、でご覧ください。

あ、最後にホラー要素を。
ひとりぼっちになった桃子の母親。
鎌倉の屋敷。杉崎家。
必ず桃子は戻って来る、とつぶやく。
自分の介護のために。
・・・・・。
そして、リトルスノー神奈川支部ができて・・・。
神奈川?鎌倉って・・・。
ぞぞぞぞ・・・・・。

ゲストを迎えた一話完結のストーリーも楽しめます。

たまにはドラマによりみちしようよ。

こんにちは。
よりみちねこです。

夏期ドラマが最終回を迎える時期。

先週「Heat」が早々終了したけど、
このドラマは、ちょい期待外れだった。
でも、まさに昨日(20150910)、
洪水のなかで活躍する消防団の姿を見ると、Heatが心を過る。
地域の事をよ~く知っているのは、街の消防団。
消防士ではなく、消防団を描いてくれたのは良かった。

さて、「エイジハラスメント」(テレビ朝日)。
初回の記事で、よりみちねこは、
なかなか面白い、かつてのイジメドラマと違ってさばさばしているところがgood、
と書いた。
ハラスメント野郎どもを、主人公・吉井英美里(武井咲)が、
「てめぇ、五寸釘ぶちこむぞ」
のセリフでブチ切れて絶叫説教する痛快さも良い。

途中、英美里が、
上司・大沢百合子(稲森いずみ)の愛人・保科(ほしな)(小泉孝太郎)と関係を持ったのは、
やっぱりこれかぁと、チープな男女関係を想像してがっかりしたが、
大沢も英美里も、淡々としているところが気持ち良かった。
大沢課長が、不倫しているとはいえ、できる上司、女性、なんだろうなぁ、
というのがよりみちねこの感想。
でもね、ドラマのはじまりで描かれていた「若さへのジェラジー」のすごさからすると、
「?」と思うほど、出来過ぎな感じは残る。

最後の「五寸釘」は誰に打ちこまれるのかな、
という期待もあった。
よりみちねことしては、保科が最有力。
絶対結婚はせず、たくさんの女性と付き合う主義の男。
英美里の結婚観をぶちのめしているわけで。

が、しかし、
「女性登用推進部」の部長を命じられ、
これから出世するには、結婚したほうがいい、
パーティや海外へは、女房がいるほうが得だ、
などと総務担当役員である権藤(風間杜夫)からすすめられ、
英美里にプロポーズ。自分は将来を期待されている、と。

が、しかし、
英美里にはお見通しだった。

その原因は権藤にあると見抜いた英美里。
最後のブチ切れ相手は、権藤だった。

自分のために女性を使うな。

大沢課長も、他の女性同僚たちも、
いっしょにキレた。

なるほど、そっちでしたか。

女性同僚たちが胸を張って廊下を闊歩する様子は、ショムニを彷彿とさせたが、
よりみちねことしては、
ショムニよりも洗練されてる、かな。

保科に五寸釘ぶち込まなかったのは、
第2シーズンを見据えて?
には、視聴率が低すぎるか?

でもね、ドラマの質って、
視聴率とイコールじゃないから。

女性蔑視のみならず、
同調圧力、空気に屈しない人間を排除する、
そんな社会、人間関係を、
ずっと許してきた、否、我慢してきた日本社会の闇(病み)。
逆に、
なんでもかんでもハラスメントになって、
やりずらい社会になってしまっている現況。
どちらも見据えている、なかなか良い作品だったと思う。

「多様性」のなかで無理せず仕事をしている男性社員もいた。
育児重視の佐田航一(要 潤)と、
病気長欠で出世コースからはずされている伊倉正雄(杉本哲太)。
ほっとする役回りだった。

最後、繊維二課に戻った大沢から、
あなたを必ずひっぱるから、
と言われ、自分は総務で頑張ると宣言した英美里。

上記二人の男性社員といい、英美里といい、
自律した意志で人生の選択をしている。
多様性がポジティブに花開く様子を見たような気がする。
よりみちねこはね。


 

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