よりみちねこのドラマカデミア

よりみち視点でドラマをアカデミアするよ。

2016年07月

こんにちは。よりみちねこです。

さぁて、夏期のドラマが始まったね。
なんだけど、
よりみち的には、今期、あまり盛り上がっていない、
といった観があった。

が、ドラマ大好きねことしては、語らないわけにはいくまい。

ってことで、今ところ、とりあえず面白かった作品のみ、
あげておく。
曜日別に。
先に述べておくが、恋愛系キュンキュンドラマは全く見る気がしない。


火曜日
「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」
夜10時 フジテレビ
主演/波瑠

猟奇犯罪がグロテスク。
アメリカの犯罪ドラマのソフト版、って感じ。
犯罪方法の異常さと、その犯罪を犯す人間の心のスイッチONの異常さ。
いや、その異常さは、誰の心にでもある「何か」なのかもしれないにゃ。
そういった謎と深みが漂っている。
波瑠演じる藤堂刑事と、
メンタルクリニックの二人中島(林遺都)早坂(光石研)もあやしい。
藤堂と同じ班の東海林(横山裕)も、心に闇を抱えているようだ。
そんななかで、
藤堂の超記憶力を買って現場捜査に加えた班長・厚田(渡部篤郎)と、同じ班の倉敷(要潤)の存在がほっとする、
ってのも妙だにゃ。特に渡部は異常な役柄も多いし。
東海林役の横山が、よりみち的には今ひとつだ。
ここがもっと光っていたら、もっと魅力的なドラマになるだろう。
中島役の林はgood。演技もうまい。
よりみちねこは波瑠ファンなので、波瑠に注目。
波瑠は、すっかりしっかりしたいい役者の雰囲気たっぷりだ。


水曜日
「家売るオンナ」
夜10時 日本テレビ
主演/北川景子

不動産業者の物語。
「テーコー不動産新宿営業所」に新しいチーフがやって来る。
三軒家万智(北川景子)
超厳しいワンマンだけど、自分はどんな家でも売る、という言葉通り売っていく。
厳しいけど、社員たちを育てようとしているのは分かる。
課長・屋代大(仲村トオル)の柔らかさが対照的。
三軒家にとっては、、とにかく客を落とすためのあれこれの画策なわけだが、
その客たちの事情を調べ、ちょっとした機微をキャッチして誘導するので、
それが、家を探している人たちの幸せにつながっているところがヒューマンドラマにもなっている。
騙しのテクニックとは違うところが、現代社会への警鐘でもある、
などという評価は言い過ぎか?
買った人が後から不幸や損を感じるようでは、本来、その商売は失敗だよにゃ。
売り上げゼロのダメ新人・白洲美加(イモトアヤコは、三軒家から徹底的に鍛えられる。
このドラマ、イモトが主役なのかと思っていたが、違ったんだな。
北川景子の迫真のコメディ演技が、とっても良い。
余談だが、北川景子もDAIGOも、結婚後、絶好調だにゃ。
あ、そうそう、三軒家の住まいは、豪邸。
だが、過去に一家8人が惨殺された事故物件。
毎日、勝手に扉が開いたりするそうだ。
安いから住んでいる、と言うが・・・。
ほとんど期待しておらず、イモトだけでも面白かったらいいいか、
という心構えで観たのだが、面白い!
ヒューマンタッチのコメディドラマだ。


木曜日
「はじめまして、愛しています」
夜9時 テレビ朝日
主演/尾野真千子・江口洋介

特別養子縁組で家族になった、息子と親の物語。
出会いは、ピアノというファンタジー。
遊川和彦脚本なので、期待して観たが、
2話まで見て、まだ、よりみち的感動は薄い。
遊川は社会派でもあり、これまでにも親子の葛藤を描いている。
「純と愛」「偽装の夫婦」もそうだった。
真剣勝負なのかコメディーなのか。
江口の存在は、コメディタッチ。
内容が内容なだけに、重たくはなりそうだ。
今後に期待したい。


 金曜日
「水族館ガール」
夜10時 NHK
主演/松岡茉優

夏ドラマの枠から少し外れるが、取り上げておく。 
本社を追い出されて、系列の水族館へ異動させられた女性の物語。
不平不満を言いながらも、
心で理解して前向きに取り組む主人公がすがすがしいドラマだ。
動物たちと真剣に向き合う飼育員たちとの関係や、
イルカをはじめ動物たちとの触れ合いのなかで、
水族館を守りたい!という気持ちを強く持つようになる主人公。
なんてことはない、それだけなんだけど、
松岡の魅力はしっかり出ていると思うにゃ。


土曜日
「時をかける少女」
夜9時 日本テレビ
主演/黒島結菜

言わずと知れたSFの古典「時をかける少女」
何度も映像化、アニメ化されている。
NHKの少年ドラマシリーズもよかったが、
やっぱり、原田知世の映画が最高だにゃ、
と、感じているよりみちねこをはじめ、原田知世の「時をかける少女」ファンの皆さまには、
とてもがっかりぽんなドラマになってやしないか? 
アニメ映画が主体となっている、ということだが。
にしても、だ。
原作の風味はまったく失われている、すくなくとも1話2話。
筒井康隆もそれでいいのか?
あの、芳山和子(原田知世)が過去と真実を知ったときの切なさと、時の駆け方。
時の亡者になってはいけないと戒める未来人・深町
時の往復の不思議さを徐々に描いていく魔法が、
観ている者たちを芳山和子と同時にタイムトラベルの世界へと引き込んでくれたものだ。
夏の青春学園ドラマ的感覚なのだろうが、
簡単に時を飛びすぎだ。
時を飛ぶなかで、一話完結の物語があり、
それについて考えたり、解決したりしていく、という設定のようだが、
節操がなさすぎる。
芳山未羽<和子ではなく未羽(みはね)>役の黒島結菜は、
よりみち的に応援している若手女優なので、
ちょっと残念だ。
それと、深町役の菊池風磨がよろしくない。
他にもジャニーズが出ていて、
ジャニーズドラマか?と不満ねこになる。


日曜日
「HOPE~期待ゼロの新入社員~」
夜9時 フジテレビ
主演/中島裕翔

こちらも主演にジャニーズだが、
それこそ期待ゼロで、何気に録画してあったので観たところ、
なかなか面白かった。
韓国ドラマの焼き直し。

日本棋院の院生だった一ノ瀬歩(中島裕翔)
家の事情などで、プロ棋士の試験に23歳までに合格できず、
商社で働くことに。

ダメダメに見えるが、実は誠実で一所懸命な一ノ瀬。
様々考えながら、人の気持ちを理解しようとしながら、行動する一ノ瀬が、
よりみち的には好印象。

コメディとファンタジーの要素も入っていて、
これからが楽しみなドラマだ。


「仰げば尊し」
夜9時 TBS
主演/寺尾聰

これも期待値ゼロで観た。
すると、意外と面白かった。
プロのサックス奏者だった樋熊迎一(寺尾聰)は、
赴任先の高校でブラスバンド部の指導を生徒たちから懇願されて引き受ける。
部の盛り上げと、音楽を諦めて不良になっていた生徒たちとの出会いと更生(おそらく)を描く。
実話だそうだ。時代は少し前みたい。
ゆえに、不良の描き方が古い。金八先生か、と思った。
今時、こんな不良いるか?いや、そもそも不良という言葉が古い。
いや、不良とは命名していないけど、
様子を見ると「不良」という言葉が自然に浮かんでくる。
時代錯誤を起こす。
思い出話の設定にして、
時代背景を実話に合わせたほうがよかったような気がしないでもない。よりみち的感想だ。
二世俳優をはじめ、期待の若手俳優が多数出ているようなので、
ある種の登竜門にもなっているのかにゃ?
「ルーキーズ」的、夢を語るベタなドラマだが、
それこそ、夏ドラマにふさわしいと思うし、
ときどき、こんな気づきと立ち直り、そして成長のドラマもあっていい。
どうやらスタッフは「ルーキーズ」のスタッフらしい。
次回が楽しみだ。

「HOPE」と時間が重なっているんだよね。


「そして、誰もいなくなった」
夜10時半 日本テレビ
主演/藤原竜也

何気に録画されていたので、観た。
単純に面白かった。
謎だらけなんで。
ネット上に拡散された画像などのデータを消去することができる画期的なソフト「ミス・イレイズ」
を開発した藤堂新一(藤原竜也)
その藤堂の人生の記録が消えていく。
自分のパーソナルナンバーは別人のものになっているし、クレジットカードも使えない。
その謎を解いていこうとする新一。
謎だらけの人々。
う~ん、なんなんだろう。
謎が解けるまで観るしかないな。
途中、なかだるみとか、こけるとかない限り。


とりあえずが、
今期ドラマスタートのよりみち感想評だ。
参考にして観てみてにゃ


ドラマを楽しもう

 

こんにちは。よりみちねこです。
 
みんな元気?
 
「レ・ミゼラブル」を観た。
映画。
ヒュー・ジャックマン主演の。
びっくりぽん。
ミュージカルだった。ってか、
セリフが全部歌だった。
そうだったのか。
 
役者たち、歌うまい。
演技もうまい。
すごいにゃ
 
ヴィクトル・ユゴーの長編小説。岩波文庫で4冊もある。
きっと細かい人生の流れが描かれているんだろうにゃ。
これから読む?たぶん読まない。
子どものころに、子供用に書かれた「少女コゼット」を読んだ。
フランス語講座でもちょこっと読んだ。
 
これは、実は何を訴えかけようとしているのかな?
といささか首を傾げた。
 
権力と闘った民衆の勝利、というわけでもなさそうだ。
最後は、立ち上がった若者たちもたくさん死んだ。
小さな少年の勇気も。
いや、生き残れば勝利というわけでもないが、
もっと歓喜で終わるかと誤解していた。
民衆の歌で。
 
すぐに思い出したのは、
チャールズ・ディケンズの「オリバー・ツィスト」。
この時代のイングランドとかフランスの、
金持ちと貧乏人の格差は、並々ならないというのがよく分かる。
必ず出てくるよね。
汚らしい今にも病気になりそうな湿った庶民の町の様子と
その暮らしぶり。
 
数年前、
アベさんと奥さんが映画鑑賞に行った、というニュースがあった。
「レ・ミゼラブル」ともうひとつは、
サッチャーかなんかの映画だったと記憶している。
奥さんは、「レ・ミゼラブル」に涙を流した。
一方アベさんは、ほとんど感動しなかったようだ。
アベさんが感動したのは、もうひとつの映画、
権力者が権力をつかんでその意志を反映していくその苦難困難、だったようだ。
 
なるほど、と今さら思った。
学生や民衆が蜂起したら困る、いや、怖い、とすら思ったのかもしれない。
どちらも命がけ。そんなバカバカしいことはしたくない。
昨年のシールズの活動を見たとき、
「レ・ミゼラブル」のなかで学生が立ち上がって権力に立ち向かう場面が、目の前をちらついたかもしれない。
いや、そこまで映画を堪能していないか?

日本でも安保闘争なるものがかつてあった。
学生が声をあげるのは、苦しい生活から、将来を憂えて、だけでもないだろう。
様々勉強して、人間の幸福とは?理想の社会とは?
という思いがみなぎり、現実社会を見るとあまりにも違い過ぎることへの
落胆と憤懣、そして正義、なのかもしれない。

日本の今の学生たちは、実はそこまでの意識がないという。
シールズのような人たちがいる反面。
それは、
発展途上的貧しさはないし(世界中に貧しさはいっぱいあるが)、
当面の戦争問題もない(世界には戦争やその種が溢れているが)。
なんだかんだと言っても、まだまだ豊かな国であることは事実だ。
原発問題や改憲問題には関心がない。
それを「幸せ」で片付けてしまっていいのかにゃ。
学生というのは、高度な学問をしている人たちだ。
就活している人たちではない、本来は。
大学校で学ぶのは、あらゆる分野の哲学であるはずなのだが。

さて、この物語のテーマはどこにあるんだろう。
貧しさのためたったひとつのパンを盗んだ罪で一生その罪を背負うことになるジャン・バルジャン。助けてくれた司教をも裏切って逃げ、名を捨て、身を立て、市長にまでなった男。
そのひとりの男が、少女コゼットと出会うことで改心して、最後、民衆蜂起のリーダーだった青年とコゼットの結婚を見守って死んで行く、そのストーリーを、フランス社会の混乱と合わせて物語ってくれたのかにゃ。
小説はね、もっともっと深いはずなので、この映画に限っての感想。

罪は許された?
でもそもそも、最初の罪、負わされている罪は、
たった一つのパンだ。
そんな社会にしているのは権力者たち。
いや、どんな状況でも、盗みは罪。
罪を犯すくらいなら、死んだ方がいいのか?

どちらかというと社会の不条理を感じるよりみちねこだ。
が、
改心に焦点を当てることもできないこともない。

司教を裏切るということは、
そもそも悪心をもった人間だったのかにゃ? 
 
よりみちねこは、子どものころ、
ジャン・バルジャンにかわいそうな人だという印象を持っていた。

いずれにせよ、泣いた。
民衆蜂起にね



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