よりみちねこのドラマカデミア

よりみち視点でドラマをアカデミアするよ。

2017年09月

こんにちは。よりみちねこです


2017年夏ドラマ、終わりましたね。

「過保護のカホコ」が一押しでした。
これについては、前回書きました。

途中で視聴をやめたドラマが多かったシーズンでもありました。

最後まで観て面白かったのは、
「カンナさ~ん」
「コードブルー」
「ウチの夫は仕事ができない」
「警視庁いきもの係」


このなかでは、
「警視庁いきもの係」がダントツ。
実は、このなかでは一番視聴率が低い。
主演の橋本環奈と渡部篤郎がなかなかよいコンビ。
橋本は新境地を開いたのではないかと思う。
動物と殺人事件がからんた新しいタイプの事件ものでもある。
が、事件がどう、謎解きがどうこういうよりも、
動物の専門家である薄(うすき)巡査(橋本)と銃撃により記憶を失っている須藤警部補(渡部)の掛け合いだけでも十分に楽しめた。
そのうえ、動物の豆知識も得られる。


「カンナさ~ん」は、
当初の期待ほどではなかった。
主演の渡辺直美の体格から、肝っ玉母さん的ながんばりおかあちゃんを予想していたが、
少し違った。
頑張るママではあるのだが、あまりにポジティブで、哀愁はない。
ゆえに、話の展開に意外性がなく、予定調和的。
ハッピーエンドはよいのだけれど。
途中で義母役の斉藤由貴の不倫発覚があって、それもちょっとしらけた。
どうでもいいことだけれども。


「コードブルー」

エピソードも配役も安定。
主要メンバーの全員が約10年間、トップクラスの役者として活躍しているのもすごい。
ひとりふたりいなくなっていてもおかしくない業界。
山下智久が見た目、いちばん年齢の経過を感じたかもしれない。戸田恵梨香はやせすぎだ。


「ウチの夫は仕事ができない」
これも「過保護のカホコ」のように、
「できない」のではなく「箱入り」型人間が、
持ち前の「純真さ」で問題解決をしたり、周囲の人々に影響を与えていく物語かな、と初回視聴の時点では思ったが、全編のテーマはそこではなかった。
焦らず急がない、そして仕事のできない主人公・小林司(錦戸亮)が、マイペースを保ちながらも、正直者がバカを見ない結果を徐々に出していく、という物語ではあるが、
どちらかというと、本人の成長物語に重点があるように感じた。
コメディーとして面白く視聴した。


おなじ「愛してる」ものでは、
「愛してたって、秘密はある」「ごめん、愛してる」があった。

「愛してたって、秘密はある」のほうは、1、2話と最終話のみ視聴。
サスペンスものなので、どういった結末になるのかだけは知りたかった、という邪道。
続けて観る気はまったく起きず。
結局、主人公・黎(福士蒼汰)の多重人格が起こしていた謎だった。
母親は知っていたが、本人はまったく気づいていない。
北川景子主演の映画「ルームメイト」に似ている。
自分で仕掛けていることに自分で恐れる。
片方はもうひとりの自分を守っている行動のつもり。
この映画では、もうひとりの人格を深田恭子が演じていた。


「ごめん、愛してる」
韓国ドラマのリメイク。
不幸な生い立ちの主人公・律(長瀬智也)が、自分の生まれてきた意味を知る。
結末は、途中から十分に予想できるものだった。
悲しいラブストーリーでもあるが、それほど魅力的な内容ではなかった。
なぜ最後まで視聴できたのかというと、
大竹しのぶと池脇千鶴、この二人の女優の演技が楽しみだったので。
大竹の天才ぶりは既に知れ渡っていると思うが、
池脇も難しい役をいつも巧みに演じ切る。


そのほか、NHKでは、
「ブランケット・キャット」「定年女子」ががんばっていた。
どちらも全話視聴した。
民放ドラマのような刺激性はないが、
どちらもいわゆる昔ながらの「ドラマ」だ。


「ひよっこ」「やすらぎの郷」もあと1週間で終わる。




こんにちは。よりみちねこです。
お久しぶりです。

2017年夏ドラマも終了を迎えている。


「過保護のカホコ」日本テレビ 水曜夜10時
高畑充希/黒木瞳/時任三郎/竹内涼真
脚本・遊川和彦

9月13日が最終話だった。
「過保護」というタイトルが先行して、いわゆる過保護に育ったバカお嬢様とバカ親の話、あるいは、親子の確執を思い浮かべた人は多かったのではないか。
そういった先入観があると、どうしてもその視点で観てしまう。
そのまま見続けた人もいるだろうし、あるいは途中から視点を変えた人もいるだろうか。
視聴率が伸びたところをみると、途中から別の視点で観賞する方向に変わっていったと推測できる。

「過保護」というキーワードは、社会に不適合な人びとを想起させる。
そのような人たちは、育ったほうも育てたほうも、批難や揶揄、軽蔑の対象だ。

しかし、一方で「箱入り」の人びとは「純粋な人々」でもある。
そういった類の人びと、つまり「悪意」という邪悪を全く持たない人間と面と向かったとき、
人はある種のショックを受ける。
理解不能なら批判して抵抗したり、無視したり、馬鹿にしたりするだろうが、
気づきの引き出しを持っている人なら、そこから何かを発見するだろう。
自分のなかに潜む邪悪さが炙り出されて衝撃を受け、自省していささかでも善を心に取り戻そうとする人もいるだろうが、
自分には無理だとはなから放棄してしまう人もいるだろう。
諦めや、あるいはときに、そんなバカ者は社会ではやっていけないよとエリート風を吹かせる。

主人公カホコ(高畑充希)の本質を見抜いていたのは祖母(三田佳子)だけだった。
祖母は死に際にカホコにこの家族の先々の安寧を委ねる。

もうひとつの焦点は「家族」。
これは遊川和彦作品の真骨頂だ。
親子、兄弟姉妹の愛をめぐる確執。
「純と愛」「○○妻」「偽装結婚」などなど、なかなかシビアな家族問題を描く。

さらにもうひとつの焦点は「夢」。
遊川作品の「夢」は「正義」と繋がっている。
うそをつかない人生は、処世術に欠けているかもしれないが、
しかし、本当の善なる世界は、ずる賢さで成り立つものであるはずはない、というメッセージが込められている。
そこまで深読みすると、反発してしまうファンの方もいるかもしれないが。

「家族」。
カホコの父方母方、両陣営それぞれで確執がある。
さらにカホコの恋人となる青年、初(はじめ・竹内涼真)くんは、施設で育った。
養護施設の子供たちも登場するが、そのなかのひとりは2016年の遊川作品「はじめまして、愛しています」という特別養子縁組を描いた作品に出演した子役。「はじめまして、愛しています」では「はじめ」という名前だった。

「夢」。
カホコの従妹、糸ちゃんはチェロを習っているが、プレッシャーから手を痛めて自暴自棄になる。
初くんは、ピカソを超える画家になる、と豪語している画学生。
カホコは自分のやりたいことを探査中。人を幸せにしたいという願いはある。
初くんは、カホコの純真な視点によって自分の描くべき絵のモチーフに気づいていく。
糸ちゃんも最後には立ち直る。

最終話は大団円で終わる。
以前の作品のように、誰かが死んだり、いなくなったり、別れたりしない。

あ、いや、最後の最後に・・・。
どうなったかは視聴者のご想像にお任せだけれど。

そうそう、
カホコの母(黒木ひとみ)がどうして過保護にカホコを育てることになったか、
その背景がカホコの母の母(カホコの祖母)の口から明かされる。

カホコは、ただの困った過保護娘ではなく、
困っている人を助けるキャラクターだったようだ。


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