よりみちねこのドラマカデミア

よりみち視点でドラマをアカデミアするよ。

カテゴリ: よりみちドラマ評

よりみちねこです。こんにちは。

今シーズンは面白いドラマがいくつかありました。
順次あげてきます。

「あなたの番です」
について書きました。
読んでいただければ幸いです。

「あなたの番です」~目まぐるしい展開と最終話のサイコ~2019夏ドラマが終わって~

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「ハケン占い師アタル」について
占い師である私、よりみちねこサリーが書きました。

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2018年秋ドラマ
「大恋愛~僕を忘れる君と~」
について書きました。
こちらでお読みください。

「日本の同時代小説」斎藤美奈子②
~TVドラマ「大恋愛」のなかに登場する作家・間宮真司における純文学(私小説)を考える~



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2018年秋ドラマ よりみち評価1位2位の2作品について書いています。
こちらからお読みください。
   ↓

「僕らは奇跡でできている」最終話~本当の自分と宝箱の正体~


「結婚相手は抽選で」全8話~結婚は義務ではない~無配慮な法律に立ち向かう若者たち~




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「僕らは奇跡でできている」第7話
について書きました。

こちらにアップしています。
よろしくお願いいたします。


「僕らは奇跡でできている」第7話
~あなたと自分のすごいところ100個言えます~居てよし!~




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このドラマは、いったい何を言わんとしているのか分からない、理解できない、ただのファンタジーだ、意味がわからない……と評する、いわゆるドラマ批評家たちは多いようです。
(略)
さて今週も書きます。
11月13日放送の第6話でも、ナイスなセリフがありました。
「僕らは奇跡でできている」
火曜夜9時 フジテレビ(カンテレ)
出演/高橋一生 榮倉奈々 他

つづきはこちらに書いております。よろしくお願いします。

「僕らは奇跡でできている」第6話~本当に行くべき道に気づくとき~自分を好きになりたい~



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ドラマ記事、こちらへ書いています。
よろしくお願いいたします。


「僕らは奇跡でできている」第5話
~それで楽しいですか?~本当のあなたの願いは何ですか?~


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「サイレント・ヴォイス」BSテレ東 土曜夜9時
主演/栗山千明

第3話「私は何でも知っている」

端くれですが、私も占い師ですので、興味深く視聴しました。

夫の経営する店で遊びで始めた占いが評判になり、いつしか霊能者として病気治しまでして大金を稼ぐことになった霊能占い師・手嶋奈緒美役(堀内敬子)。
信者も大勢いる反面、被害者の会もある。

被害者の会の男性が謎の転落死。手嶋のところへ乗り込んで来た男だった。そのとき「3日後に死ぬ」と手嶋に予言されていた。

行動心理捜査官・楯岡絵麻(栗山)が取り調べを行うが、犯人らしい反応が全く見られない。手嶋には犯行当時のアリバイがあり、本当に霊能なのではないかと疑いはじめる相棒の西野刑事(白洲迅)。

楯岡は、あの手この手で手嶋の霊能がいわゆる「コールドリーディング」であることを証明していく。
詐欺師の才能がある、と問い詰める。
が、何が本当で何が嘘なのかは、どうにも突き詰めようがない。
それが自称他称問わず「霊能」というものなんだ、ということがよく分かる楯岡の取り調べだった。

私はドラマの途中で思った。本人が本当だと思い込んでいればおそらく行動心理的な身体的特徴は現れないのだろう、と。そんなことを考えていたら、楯岡も同様の指摘をした。
そういえば、そういう人は「嘘発見器」にもひっかからないという事例を、海外のドキュメンタリー番組で見たことがある。

これほどの信者を集めるまでになったということは、それなりに当たったり、治癒したりという現象はあったのだろうが、カルト教祖的存在というのは、本人のみで出来上がるのではない、ということも示してくれていたように思う。
つまり、周囲の崇拝者たちの影響は大きい。彼らがまず、祭り上げる。すると本人はますます本気になる。次第に忖度も働くようになる。
ときに教祖の予言を的中させるために、「それ」を「起こす」という作業をする。これは、自称霊能者本人の命令で行っている場合もある。
テレビ番組などでは、スタッフが事前に相談者の身元を調べて、あたかも霊視しているかのごとく喋る、という演出もあると聞きます(参考文献/松尾貴史著「オカルトでっかち」他)。

手嶋に、あなたは妄想性障害だと明かす楯岡。
それはあなただけの責任ではい。
あなたと相談者たちは互いにマインドコントロールを強め合う関係だった。

この第3話では、信者がそうしたのではなかった。なかなか複雑に事が絡み合っていた。
手嶋に息子の腫瘍を治してもらっていた母親の父、が犯人だった。この人物は被害者の会のメンバーで、そんな詐欺から娘と孫を救い出したいと思っていたのだが、3日後に死ぬという予言をその場で聞いていた彼は、その予言が当たることが孫と娘のためになると判断したのだった。孫の腫瘍が小さくなったと聞いていたので、彼女の霊能力が続くことを望んだ。
う~ん、だからって……
でも、人の気持ちってそんなものだ。

信者たちは、教祖の霊能力を信じているので、殺したりしない。
楯岡の説明は論理的だ。
あなたの霊能力に懐疑的であるにもかかわらず、殺人を犯してまであなたが霊能者として存在しつづけることを願った人物。

霊能があるのかないのかと問い掛けてくる犯罪捜査ドラマで私が印象に残っているのは、「クリミナル・マインド」「dele(ディーリー)」「ガリレオ」。「クリミナル・マインド」「dele」では、最後には、やっぱりそういうのもあるのかなぁ的演出で終わり、「ガリレオ」では、全く違っていたことが証明されました。

余談ですが、
「霊能」については、その真偽は分からない。そう思っておいたほうが安全です。
なぜなら、その99%が詐欺、霊感商法の可能性が高いと言っても過言ではないからです。

本人が「見えている」と思い込んでいる限り、本人としては確かに見えているのでしょうから、それは本人にとって真実以外のなにものでもない、わけです。ですので、そういう人を何らか説得しようとしても無駄です。むしろ、詐欺師というのは対話能力が高いので、洗脳されてしまうかもしれません。「ミイラ取りがミイラになる」です。

私には人知を超えた力があり、私は選ばれた人間である、そのことの証明にほかならない
という手嶋が楯岡に行ったセリフ。これは大変に危険である、と言わざる負えません。
楯岡が取り調べのなかで比較例として出した、「ヒトラー」と「サリン事件の主犯者」も、全く同じことを思っていたと思われます。
霊能者や占い師でなくとも、ビジネスの世界にも、あらゆる職業、否、あらゆる人間のなかに、親や学校の先生にも、同様の類いはいます。
このような不遜な言動は、その人間の真価を判断するための試金石、基準とすることができます。
どんな人でもこんなことを言い出したら用心したほうがいいですよ。

本当に本当に「見えている」のであれば、むしろ「より謙虚になるべき」と私は思っています。いや、謙虚にならざるを得ないのではないでしょうか。

手嶋は、犯人ではないので釈放されて、このまま霊能者を続けていくのだろう。そして一部は離れていくだろうが、信者はそのままついていくだろうし、報道されることで新しく崇拝者となる人たちも現れるはずだ。

こういったことがあった後に、崇拝心はより強くなる、という学者の報告論文もあります(参考文献/「予言がはずれるとき」レオン・フェスティンガー)。


……にしても、楯岡は、いや栗山は、「幻解!超常ファイル」だったぁ!




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「僕とシッポと神楽坂」
テレビ朝日金曜夜11時15分
原作/たらさわみち
脚本/谷口純一郎  国井桂
出演/相葉雅紀 広末涼子 かとうかず子 趣里 渚 イッセー尾形 


よかったよかった。相葉雅紀が復活してくれた。
紅白の司会、「貴族探偵」と、私のなかでは相葉雅紀は死んでいました。

彼にはこういう役が合っている。
どんな役でも器用にこなせるのが役者、かもしれませんが、それでもやっぱり人間ですから誰しもそれぞれに醸し出す雰囲気というのもはあるもので、器用にこなせないからといって必ずしも役者向きではない、というわけでもないのかな、と思います。
ただし、「嵐」のメンバーたちは、どちらかというと、役者ではないのかもしれませんね、というのが今のところの私の感想です。

そんななかでも、この作品は的中ではないでしょうか。

勤めていた動物病院をやめて、実家に戻った高円寺達也(相葉)。尊敬する獣医師の小さな動物病院で働く予定だったが、その医師は姿を消しており、達也がひとりで後を継ぐことに。
小さくて、古めかしいたたずまいの「坂の上動物病院」。

動物と飼い主の気持ちに寄り添う診療をする達也。通称「コウ先生」。
ドラマタイトルにある「シッポ」。
シッポって動物のことなんだ。達也がそう呼んでいるを聞いて私はようやく気づいた。

こういったヒューマンドラマは、昔はゴールデンタイムでやっていた。
深夜ドラマが悪いわけではないが、やはりゴールデンは、いくら主演がジャニーズといえども、刺激満載のエンタメ味が要求されるのでしょうか。
同じのんびり雰囲気のドラマ「僕らは奇跡でできている」に、退屈だ的感想がありましたから、致し方ないのかもしれませんね。

とはいえ今秋は、2作品もゆったりドラマがあって、私としてはうれしいです。
テレビ朝日も、刑事ものではないドラマもつくれたのですね。

兎にも角にも、相葉雅紀をまともに見られるのでよかった。
「貴族探偵」の汚名返上(あくまでも私個人にとっては)!

動物病院と動物たちを中心に神楽坂で起こる様々なストーリー。
視聴おすすめします。
金曜日の深夜、一週間の疲れを癒してください。
そのままゆっくり眠れると思います。



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「僕らは奇跡でできている」
フジテレビ(カンテレ)火曜夜9時
脚本/橋部敦子
出演/高橋一生 榮倉奈々 要潤 児嶋一哉 戸田恵子 小林薫


都市文化大学の動物生態学研究室の講師として、恩師である生命科学部学部長・鮫島(小林)に呼ばれた相河一輝(高橋)。

そもそも学者は、変わりものの集まりだが、相河は、なかでもとびきりの変人に見える。
彼の正直すぎるところ、率直さが、ときに迷惑に見えるかもしれないが、実は人間の本質をついてくる鋭い感性だったりする。
おそらく相河は、教授になろうとかいう権威的欲望からはほど遠い人物なのだろう。研究し、探究し、疑問を追及していくことに常に集中して生きている。

彼のキャラクターも、ヒーロー的要素を持っていると言える。
具体的で物理的な問題を解決してくれるわけではないし、困っている人を助けてくれるウルトラマンでもない。が、「グッド・ドクター」「義母と娘のブルース」の主人公ヒーローキャラとの共通点は、嘘をつけないところ。
何でも正直に言えばいいというものでもないのが人生ではあるが、私たちは、どうも不正直に我慢することが美徳のように生きてきてしまったのではないか。ゆえに、このようなキャラクターが続々登場しているのかもしれない。
もうひとつの共通点は、正確な情報をくれるところ。それはときに特殊な分野かもしれない。「スタートレック」のセブン・オブ・ナインやホログラムドクター、データのように、百科事典万能さはないが、例えば相河は、第2話のフィールドワーク中に、シカの鳴き声を聞いて○○メートル先にいると、詳細な情報を学生たちに発信する。学生たちにはそれが本当かどうかは確かめようもないのではあるが。
ある意味のスーパーマンだ。

本質をついてくる人間、自分の知らないことを言ってくる人間を、人はニガテに思って遠ざけたり、酷い時には自分を守るために攻撃したりもするが、ちょっと変わった「正直善人キャラ」は、私たちに大切なことを気づかせてくれる存在だったりする。その場合、善人であることははずせないだろう。なぜなら、悪人であればその言動には悪意が伴うのであろうし、もし善なる表現をしているのなら、それは詐欺師なのではないか、と思うので。

歯科医師・水本育実(榮倉)との関係とやりとりが「古い」という評価もあるようだが、男女の不思議な出会いとしてはドラマ上よくあるパターンだし、だからといってとくに古くさいとも思わない。むしろ、二人の感覚が新しいようにすら感じる、平成最後の秋に。
もしかしたら最近の傾向かもしれないが、自分の心を見つめる傾向がある。
水本と相河は、互いにニガテ意識を抱いているが、水本は相河の言動に何かを気づきはじめている。
互いに何か学びを得ていくことになるのか……

第1話の「うさぎとかめ」の解釈も哲学的でよかった。
なぜかめは、寝ているうさぎに声をかけなかったのか問題。

授業中、退屈そうにしている学生たち。
第2話ではフィールドワークの授業もあったが、学生たちの思いがどう変化していくのか、ということろも興味深い。

劇伴と作品のまったりとした雰囲気から、このドラマにも「かもめ食堂」「めがね」「すいか」といった一連の小林聡美主演の映画とドラマが思い浮かんでくる。それは、いつかどこかで観たという批評ではなく、刺激的展開や大声、受け狙いの決り文句のみで迫ってくるドラマが多い昨今、静かな空気のなかで進んでいきながら、それぞれの心にそれぞれ何かを伝えてくれる物語、という意味です。

毎日新聞2018年10月21日「10月新ドラマ 担当記者座談会(上)」での評価は、良いと良くないに別れている。まあまあという回答が一人いるので、良いがちょっと優勢、かな。

良いという評価のSさん
うまく社会になじめない大学講師が高橋にぴったり。
特に何も起こらない日常の物語だが、橋部敦子の脚本がよく、その世界に引きつけられた。

良くないというIさん
私には、この平凡な日常もストーリーがちょっとまだるっこしくて退屈。
でも、せかせかと生きる私たち現代人には、不思議な感覚になれるね。

そういうことなのですね。こういったドラマを評価しない人たちは
「何も起こらない日常の平凡な物語が退屈」なのですね。
私は、非常に面白いです。
中だるみしないことを期待します。

追伸
同じ研究室の樫野木准教授役の要潤。最近、こういう役が多いように思う。つまり、現実的で保身的で、主人公を敵視しているかと思いきや、実は助けている存在。いいポジションにはまったかもしれない。現在朝ドラ「まんぷく」にも出演中。こちらも良さげな役です。金銭欲のない画家。
講師の沼袋(児嶋)は、研究室でアリばかり見ているが、実は研究室の人間関係を鋭く観察している?



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