こんにちは。
よりみちねこです。

いよいよ2016年冬ドラマが始まったね。 
初回を観ただけでの感想だけど、読んでね。
興味がわいたら視聴してみてね。

「わたしを離さないで」 TBS金曜夜10時
原作 カズオ・イシグロ
脚本 森下佳子

この異様な寄宿学校。
なぜ、この閉鎖空間、完ぺきに遮断された空間で、子どもたちは生きているのか。
それを問うていくミステリーではない。
その疑問への答えは、冒頭と、ストーリー後半で明かされる。
じゃあ、何を描くのだろう?そこが「この物語」なんだろう。

保科恭子(綾瀬はるか)、土井友彦(三浦春馬)、酒井美和(水川あさみ)が主演3人。
その子供時代が描かれる。恭子の思い出のなかで。
生徒たちは、この寄宿学校で、奇妙な教育を受けている。
そこへ赴任してきたばかりの保健体育の教師・堀江龍子伊藤 歩)が、その異様さに気づき始める。
友彦がいじめられている原因が「絵が下手なこと」だったから。
絵は魂の表れだから、下手ということは・・・、というわけだ。
堀江は、そんなことはない、ほかにも素晴らしいことはいっぱいあると教えてしまう。
美術の教師・山崎次郎(甲本雅)は、絵画こそがあらゆる芸術のなかで他を介さずに表現できる最高峰だと堀江に説明する。
甲本雅の怪演が、いつもながら気味が悪すぎてvery good。
テープを聞かせて洗脳する様子が、いかにもカルト教団や自己啓発セミナー、「23分間の奇跡」を彷彿とさせる。

人はこんなふうに洗脳されていくんだろうな。
子どものときから教育(洗脳)すればいかようにもなるんだろうか。
いや、どこかでふと、目覚めるときが来るはずだ。
しかし、その目覚めも、植え付けられた価値観とは違う別の何かに触れた瞬間がなければ、やって来ないのかもしれない。
でも、あるとき不具合を感じて目覚め、それを行動に起こしていく人は、いつの時代もいるものだ。

洗脳にとって一番効果を発揮するのは「恐怖」と「賞賛」。
森には行くなというルールを、恐ろしい事例をあげて教え込んである。
そして、「あなたたちは特別な存在。身体の一部を提供する天使」と、
小学4年生の終わりに校長・神川恵美子(麻生祐未)から話すのが当校の習わし。
それを、堀江というまだ何も知らない教師の疑問に答えるために、早めの説明をすることになったのが、初回ストーリー。

長じた恭子は、美和に全てを奪われたと言っている。
美和に会いに行こうとしている恭子・・・。
さて、どう展開していくのか、楽しみだ。

木村拓哉と中山美穂主演のTVドラマ「眠れる森」
映画「ヴィレッジ」
トーマス・マンの小説「魔の山」
が、よりみちねこの脳裏をかすめた。

しかし、どんなところにも「いじめ」は存在するんだな。
どうせ洗脳するなら「人をいじめることのリスク」のほうがいいんじゃない?
逆にいえば「人に親切をすることのメリット」。
いや、それでも「いじめ」はなくならないのかもしれないし、
誘導することの弊害もあるのかもしれない。
とはいえ、教育なんて善も悪も歴史も宗教も、洗脳といえば洗脳だ。
購買意欲だって、宣伝による洗脳だ。
って、考えると?
幸せってなんだ?という哲学的永遠の疑問に戻る。
そして、「自由」とは?
人は自由を求める生き物。
「幸福=自由」の実現のために思考し、行動してきた歴史。
おっと、つぶやきが大きくなりすぎたにゃ

主演の3人は、
環境は特殊だが、人間の普遍的問題を演じている、
と口をそろえて語っていた。

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