こんにちは。よりみちねこです。

いよいよ、冬ドラマが始まったね。

第一話、ほぼ見渡した。

今のところ、
「カルテット」がいい。

「カルテット」TBS火曜夜10時
松たか子/満島ひかり/高橋一生/松田龍平
脚本・坂元裕二


4人のアマチュア音楽家が出会って、
「カルテット・ドーナツホール」という名の弦楽四重奏楽団を結成。
松たか子演ずる巻真紀の夫の失踪疑惑というサスペンスも入っている。

仕組まれた出会いと、4人それぞれが抱える人生。
軽井沢の別荘で合宿生活を始める4人。
夢は大ホールでの演奏。

プラトン的対話を思わせる、
最初の「唐揚げ争論」。
そこには、人それぞれの価値観とそれを知ることの意義が、
言い争いのなかからあぶりだされてくる。
唐揚げにレモンをかけるかけない論議は、
のちの、真紀と夫の愛情問題の伏線となっている。

さらに、4人が出会った似非「余命9か月のピアニスト」ベンジャミン(第一話ゲストイッセー尾形)。
彼のウソを暴いて自分たちの演奏出演をライブレストラン「ノクターン」に獲得した真紀。
そのことで4人は思いをぶつけ合う。

思いやりなのか同情なのか。
余命9か月はついていいウソなのか。 
だからって誰も助けてあげることはできない。

ここでの真紀のセリフは圧巻だ。
「思いやりじゃないですよね。あの人に未来の自分たちを見たからですよね。
私たち、アリとキリギリスのキリギリスじゃないですか。
音楽で食べていきたいっていうけど、もう答えでてると思うんですよね。
私たち、好きなことで生きていける人にはなれなかったんです。
仕事にできなかった人は決めなきゃいけないと思うんです。
趣味にするのか、それでもまだ夢にするのか。
趣味にできたアリは幸せだけど、夢にしちゃったキリギリスは泥沼で、
ベンジャミンさんは夢の沼に沈んだキリギリスだったから、嘘つくしかなかった。
そしたらこっちだって奪い取るしかなかったんじゃないんですか」



「夫婦って別れられる家族」

という真紀。そしてまさかの坂の話をする。
「人生にはまさかのことが起こるし、起きちゃったことはもとにはもどらない。レモンかけちゃった唐揚げみたいに」
これも名言だ。

ドラマ冒頭でのスーパーマーケットでの演奏は「ドラゴンクエスト」。
4人のパーティーの冒険が始まるファンファーレか?

そして第一話終盤、ライブレストランでの初演奏曲「モルダウ」が、悲しげに響く。

煌めくセリフが散りばめられているドラマ。
さすが「問題のあるレストラン」坂元裕二脚本だ、と思わせる。
よりみち的には「いつ恋」はボツだったけれど。

ストーリー展開も、秀逸。
最近のドラマは、文字での説明が目立つが、
このドラマにそれはない。
場面展開の自然の流れのなかで、関係性や状況が視聴者に知らされていく。
子供には難しいかな。大人のドラマといえるだろう。
ていねいに作り込まれている、と感じる。

先の展開に期待する。


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