よりみちねこのドラマカデミアへようこそ!

2018年の冬期ドラマがはじまりました。
全て観ているわけではありません。
そしてさらに、とりあえず1話は観ましたが、見続けるかどうかは分かりません。

とにもかくにも、ご紹介をかねて簡単な感想を。

「海月姫」フジテレビ月曜夜9時
芳根京子/瀬戸康史/工藤阿須加/木南晴夏/松井玲奈/内田理央


クラゲオタクの倉下月海(芳根)と国会議員の息子(母親違い)二人、鯉淵蔵之介(瀬戸)と修(工藤)との出会いが、月海の見た目を変えていくのか?というところが見どころ、なのか?
物語の出だしは良くなかった。つまらなそうなので、1話で見納めかな、とすら思った。
しかし、だんだんと惹きこまれた。
男子禁制アパート天水館に住む女性たちが、全員オタク。こんな暮らしができるとは、あんたたちはいったいどこからお金を得ているのかと不思議がる女装美男子の蔵ノ介。もっともだ。
彼女らの返答がいい。
ここに住む漫画家のアシスタントとそして何より親からの仕送り、だそうだ。
自分たちの愛することを大事にして、絶対に曲げず、動じない彼女たちは、好感が持てる。
木南、松井、内田が全員前髪が眼を隠していて顔が分からない。
木南がかろうじて判別できたが、あとの二人はどんな役者か名前を見るまで全く分からなかった。いや、名前を見てすら「誰?」だ。
最終話までに顔を出すのだろうか。
再開発で天水館はどうなるのか。そして恋の行方は。
意外と面白いので続けて観ようと思う。


「FINAL CUT」カンテレ(フジテレビ)火曜夜9時
亀梨和也/栗山千明/橋本環奈/藤木直人/杉本哲太/水野美紀/林 遣都

いわゆる復讐ものだ。
最近の復讐もので印象に残っているのは、「嘘の戦争(カンテレ/草彅剛主演)」「アリスの棘(TBS/上野樹里主演)」があるが、そのパターンだ。
舞台はメディア。
あくどい報道手法で、殺人犯にされ、自殺してしまった母の復讐に乗り出す中村慶介(亀梨)と友人。
カンテレ系の復讐劇は、復讐をはかる主人公も詐欺師になってしまうのだな。
そうでもしなければこれほどの復讐劇は貫徹できないか。
昨今言われている報道番組のつくり方、視聴者を低く見ている作り手たちの様子、そして天才司会者の横暴と傲慢。それらも同時に描かれているところは社会性もあると言えそうだ。
先が気になるので、続けて視聴しようと思う。


「きみが心に棲みついた」TBS火曜夜10時
吉岡里帆/桐谷健太/向井理/ムロツヨシ/瀬戸朝香/鈴木紗理奈


これは…なんだろう…。どんなドラマなんだろう。
こんな気持ちの悪いドラマはじめてだ、という感想もすでにあるそうだが、同感する。
ストーリーがどのように展開するのか分からないので軽々には言えないが、
それにしても、登場人物全員に違和感がある。
キャラクターもさることながら、俳優も上手に使えていないように感じる。
これだけ個性的ないい役者を使っているのに、もったいない。
俳優たちも得をしないような……。
いや、こんな役をこなしてこそ、でしょうか?
いやいや、悪役だって、演じ甲斐のあるものはある。
続けて視聴できるか、不安。


「anone」日本テレビ水曜夜10時
広瀬すず/田中裕子/小林聡美/阿部サダヲ/清水尋也
脚本/坂元裕二


ネットカフェで生活しているハリカ(広瀬)が、ひょんなことから騒動に巻き込まれ、林田亜乃音(田中)と出会う。亜乃音(あのね)は、ハリカがいつもチャットゲームのなかで神野彦星(清水)と会話するときに使う言葉「あのね」と同じ。
一方、余命宣告をされて生きる希望を失っている持本舵(阿部)と彼の経営するカレーやに突然現れた青羽るい子(小林)は、人生談義に花を咲かせる。この二人もまた、亜乃音とハリカの騒動の輪のなかに入り込んでくる。
実は、みんなお金が必要な状況。
そして、亜乃音の亡くなった夫はなぜか偽札をつくっていた。
ハリカは過酷な施設育ち。亜乃音との間で何かを得ていくのだろうか。
舵とるい子の行く末は?
坂元裕二の脚本は、ちょうど1年前「カルテット」で見せてくれたように、深く重たい人間ドラマを、見事な対話劇のなかで上手に描き切ってくれるだろうか。
例によって印象深い、人間や社会の真実をえぐるようなナイスなセリフの数々も、楽しかったり、頷いたり、ぞっとしたりで、楽しませてくれる。
「カルテット」は最終回がうらめしいほど、ずっと見続けていたいドラマだったが、「anone」はどうまとめてくれるのか、期待しすぎてもいけないが期待する。
小林聡美が、久々に小林らしい役どころで観られるのも嬉しい。
「すいか」を思い出す。
劇伴もいい。


「隣の家族は青く見える」フジテレビ木曜夜10時
妊活夫婦→五十嵐奈々(深田恭子)大器(松山ケンイチ)
子供をつくらないカップル→杉山ちひろ(高橋メアリージュン)川村亮塚さ(平山浩行)
男同士カップル→広瀬渉(眞島秀和)青木朔(北村匠海)
幸せを装う夫婦→小宮山深雪(真飛聖)真一郎(野間口徹)

面白そうだ。
この4世帯だけが住むコーポラティブハウス。
【「コーポラティブハウス」(大辞林)
同一敷地に共同で住むことを希望するものが組合をつくり、住宅の設計から管理までを運営する集合住宅。各世帯の条件に合わせて個別に住戸を設計することができる。協同組合住宅。】

一級建築士の広瀬がデザインした。
視聴者のすぐ隣にある人生の問題をそれぞれの共同生活者たちが抱え持っている。
ドラマの始まりは、これから乗り越えるべき問題を提示しながらも、軽快だ。
トラブルの芽もありそうだが陰湿な雰囲気がない、ように(第1話を見た限りでは)見える。
ねちねちとした意地悪や警戒や出し抜くようなドラマではなく、それぞれ意見交換をしながら、ときに対立もするだろうが、互いを理解し合い認め合って、そして助け合っていくような、そんな雰囲気をドラマから発信してもらえたらいいのにな、と思わせてくれるドラマであってほしいが。
さて、どう展開するだろうか。ドラマというファンタジーは世論や価値観を変える役割を持っている。
「ひよっこ」で米屋の娘役を好演した・伊藤沙莉が大器の妹役、
子役だった須賀健太がすっかり大人になって大器が務める会社(おもちゃメーカー)の後輩役で出演。
どちらも楽しみだ。


「アンナチュラル」TBS金曜夜10時
石原さとみ/市川実日子/窪田正孝/松重豊/薬師丸ひこ子/井浦新
脚本/野木亜希子


一言、面白い!
不自然な死、死体を解剖もせずにいれば、そのまま葬り去られてしまう事件、出来事を法医解剖医たちが解明していく、はらはらサスペンスドラマ。
まあ、刑事ドラマでいいじゃない?と思わないでもないが。
なぜなら、調査がはじまると、まるで刑事の行動になってしまうので。
原因究明のどんでん返しがひとつふたつと続き、飽きさせない。
一方で、遺族たちへの配慮が半端ない主人公・三澄ミコト(石原)。
石原の演技がまた見ごたえある。とくに食べながら喋るシーンは上品でそれでいて豪快。
天才だな、と思わざるを得ない。
もちろん、続けて観ます。


「もみ消して冬」日本テレビ土曜夜10時
山田涼介/波瑠/小沢征悦/中村梅雀/千葉雄大/浅野和之

エリート家族が、家族に起きる問題を、あの手この手でなかったことにしていくドタバタコメディ。
まだ1話しか見ていないが、このドラマにどんな背景や意味があるのか分からない。
なにしろ東大出の医者、弁護士、警察官が、法を犯して家族のスキャンダルを守るのだから。
家族ファーストのドタバタ喜劇としかいいようがない。
どこまで見続けられるかな。
波瑠ファンとしては最後まで見届けたいのだが。


その他

「BG(テレビ朝日木曜夜9時)」は、脇役が名優揃い。

「99.9(TBS日曜夜9時)」は、シーズン2で安定。
女性弁護士のポストが榮倉 奈々から木村文乃に交代。

「相棒(テレビ朝日水曜夜9時)」も安定。
ただし「相棒」はこの2~3年、以前のような巧みでヒューマニティあふれる物語が見られなくなったように感じている。
杉下右京(水谷豊)の相棒・冠城亘 (反町隆史)は来シーズンも続くのか?