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「未解決の女~警視庁文書捜査官~」テレビ朝日木曜夜9時
波瑠/鈴木京香/遠藤憲一/高田純次/沢村一樹/工藤阿須加/山内圭哉/光石研

警視庁捜査一課。
特命捜査対策室。
その第6係に配属された矢代朋(波瑠)
第三強行犯で暴走して怪我。それゆえの転属のようだ。
おとなしく文書整理でもしていろという上層部の思惑のようだが、
もちろん、そんな暗黙の命令になど従うはずもない矢代。

特命対策室とは、これまでの未解決事件を扱う部署。
今期ドラマ「シグナル」も「長期未解決事件捜査班」が舞台の物語。
なぜかドラマは、テーマがシンクロすることが多い。
「シグナル」の評でも書いたが、こちらも思わず
「クリミナル・マインド」と較べてしまう。
原作を読んだことがないのでそちらのことは分からないが、
映像演出も「クリミナル・マインド」見てますよね?とつっこみたくなるシーンがあった。

アメリカのドラマに慣れてしまうと、日本のドラマがどうも鈍く感じてしまったりする。
ハリウッドの刑事・犯罪ドラマは、テンポが速く、じめじめしていない。
日本の刑事ドラマは、くどくど背景を描いたりするのが得意で、それが私としてはあまり好きではないのだが、「シグナル」も「未解決の女」も、日本のよいところも仕込みつつ、テンポもよく、ユーモアも挟みながら展開するので、なかなかいいのではないか、と感じた。
理屈をこねたが、まず
面白い!

よかったぁ。波瑠ファンとしては胸を撫で下ろす。波瑠だけではなく、他のメンバーの配役も良い。

「文書捜査官」なので主役は鈴木京香演ずる鳴海理沙のほうなのだろう。
「魔女」と呼ばれている。
鳴海は、文書、つまり、文字や文章のエキスパート。
「クリミナル・マインド」で言えば、Drスペンサー・リードだろうか。
リードはIQ187の超天才で、速読力は1分2万語。暗号やアナグラムも読み解き、まるでスタートレックのデータのような膨大な知識量。
日本の場合、宗教的哲学的人種的文化的知識を要するような事件はほとんど起きないだろうから、どうしてもアメリカと較べるとのんびりしている雰囲気は免れないのかもしれない。

未解決事件を扱うということで、倉庫に眠っている文書を紐解いていくという設定なので、文書を扱うのは当たり前だ。ゆえに文書捜査官。
残された文字や文章からプロファイルしていく(つまりいささか文字占い的)ところは、
そのまま「FBIの行動分析課BAU(クリミナル・マインド)」だ。
このドラマは、その部分にだけ焦点を当てているわけだ。

「シグナル」もそうだったが(こちらの主人公はもろ、アメリカでプロファイルを勉強)、とりあえず「プロファイルをしてみせる」というのがはやりの演出なのだろうか。
このドラマでも、冒頭、鳴海が矢代に係長・財津(高田純次)をプロファイルさせた。

矢代が配属された第6係は、なが~い階段を降りた地下にある。
これもまた、日本特有の吹き溜まりのような部署に実は優秀な人物が追いやれている、という設定。「シグナル」もそうだ。有名なところでは「相棒」。
「クリミナル・マインド」のBAUは、外見も中身も、元ハッカーも含めて超優秀な捜査官の集まりだ。
虐げられたり敬遠されたりしているけど実は優秀なんだよね的テイスト、日本人は好きだよなぁ、と思わず頷く。
月光仮面とかスーパーマン的ヒーローが好きなのかもしれない。
これ見よがしに優秀だと嫉妬もあって好きになれない。
優秀な人が失敗していたり嫌われたりしているほうが溜飲が下がって愛せる。
そんなところだろうか。あまりストレートではないのが日本人なのだろう。

さて、第1話、面白かった。
現時点の連続殺人と10年前の未解決作家殺し事件が関連があるのではないか、と調査を始める矢代。
室長・古賀(沢村一樹)に咎められてもやめない。

文書のエキスパート鳴海の推理通り、犯人を突き止める。
その追いつめ方が、矢代もドラマ内で言っているが「コナンくん」。
つまり、鳴海のセリフをスマホを通して矢代が聞きながら、その通りに話して犯人を問い詰め、追いつめていく。
最後の最後に鳴海が、矢代本人の反応に嫌気をさして、取調室に登場するが。

第1話のゲストの一人、風間俊介のサイコパスっぷりが、いつもながらうますぎて怖い。
「金八先生」のときからだ。

にしても、最近の朝ドラのメンバーの多いこと。
波瑠(あさが来た)、鈴木京香(わろてんか)、沢村一樹(ひよっこ)、山内圭哉(あさが来た)、工藤阿須加(あさが来た)、遠藤憲一(わろてんか)、風間俊介(純と愛)。

「正義のセ」もそうなのです。これはまた別によりみち評を書きます。

ひとつだけ物言いを。
「未解決の“女”」というタイトル。
「科捜研の女」「京都地検の女」とテレビ朝日の高視聴率犯罪ドラマがあるところをみると、
「○○の女」は女性の活躍する犯罪ドラマを定番化してるのかもしれないが、
なんですか、セクハラが問題(財務省とテレビ朝日)になっている昨今からすると、一考の余地あり、のような気がしないでもない。

第2話が楽しみだ。