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「あなたには帰る家がある」TBS
中谷美紀/玉木宏/木村多江/ユースケ・サンタマリア


私としては本当に単純に、ドラマの内容としての評価は低い。
うっかりすると途中で視聴をやめてもおかしくなかった。
が、ここまで観たら最後どうなるか見届けたい、そんな気持ちで見続けた。

エンターティンメントの要素はたっぷり。
コメディーとしてみればそれなりの評価はできるかもしれないが、
それにしては、いささか物語が深刻さを帯びている。

茄子田太郎(ユースケ)と綾子(木村)夫婦の怪しい家族が、
壊れる寸前だった佐藤秀明(玉木)と真弓(中谷)夫婦に
からんでくるところから物語ははじまった。
私は当初、太郎と綾子は夫婦で詐欺師なのかと予想した。
が、違った。この夫婦にも問題というのか、夫婦になったときの隠された事情があったことが、最終話間際で判明する。

四者四様で、誰が善人で誰が悪人というのでもない。
みんな善人でみんな悪人かもしれない。
いや、身勝手で独善的。

私の最終的な感想としては、
もしかしたら茄子田太郎が、唯一この4人のメンバーのなかで、自己変革を遂げた人かもしれない、ということだ。この人学校の先生なので、そのくらいの知性は持ち合わせていてほしいところではあるが。
綾子は、わがままと希望が通ったし、
佐藤夫婦にいたっては、いまだ思いやりの心の交流ができてない。

異様さ、ということで言えば、
綾子の魔性と秀明の優柔不断が拮抗する。
太郎は初回から、いけすかなさ一番のように描かれてきたが、回を追うごとに実はちがうということが次第に見えてきた。真面目で自己卑下の強い人だっただけのようだ。
その男を、ユースケ・サンタマリアは見事に演じていた。

女性二人も、好演していたが、
木村多江の悪女ぶり、意地悪ぶり、異常ぶり、嫌な女ぶりもなかなかの迫力で見せてくれた。
中谷美紀の役柄は、演じやすいかもしれない。気が強くあけっぴろげな女性。

玉木宏は、おどおど男を、大きな身体を縮めてうまく演じていた。

結局最後は、それぞれが収まるところに収まる。
茄子田夫婦は離婚しなかった。ただし、夫と妻の立場が逆転。
佐藤夫婦は離婚したまま、あらためて互いに向き合うことに。

茄子田夫婦を復活させるために、太郎を大切に思う気持ちを装ってみせた真弓。
この描かれ方が、いまひとつしっくりこなかったのが残念だった。
真弓が太郎に本気でないことを視聴者に示すシーンでの表現が、あまりに失礼な表現だった。

もっとコメディでほろっとする系のほうがよかったように思う。
この登場人物たちだと無理かな。
私は、このドラマのなかに好感の持てる人物、ある程度の理解を寄せることができる人物がひとりもいない。

えっと、玉木さん、木南晴夏さんとのご結婚、おめでとうございます。
私は、木南ファンなので、ちょっとショックでした。