よりみちねこのドラマカデミア

よりみち視点でドラマをアカデミアするよ。

2017年06月

こんにちは!
よりみちねこの「ドラマdeファンタジー」へようこそ!


「フランケンシュタインの恋」日本テレビ日曜夜10時30分
綾野剛/二階堂ふみ/光石研/柄本明/新井浩文

こういう終わり方かぁ。

「泣くな、はらちゃん」のような社会性のあるヒューマンファンタジーかと期待したが、
それほどでもなかった。

「おとぎ話」ですね。

キノコ菌に人間の難病を治すパワーある。
そのパワーを持った改造きのこ人間フランケンこと深志研(綾野剛)は、
当初、人に触れない。触るとその人を殺してしまうから。

シザーハンズか
ギリシャ神話のミダス王の物語か。
ミダス王は、あることの報酬としてディオニュソスから、触れたものが何でも金になる力を授かった。はじめは喜んだが、食べ物も娘も金になってしまい、しだいに冨と贅沢を憎むようになる。

ミダス王の場合は、贅への欲望からくる結果だが、
フランケンこと深志研の場合は、人を助けたいという気持ちと、120年前のフランケンの師・深志研太郎博士の恋心と後悔のなせる業だった。

結局、津軽継実(二階堂ふみ)の難病は、フランケンこと深志のもつ菌のおかげで治癒する。
それは120年前の恋の償いであり復活でもある。

そして最後は、警察の追っ手から森へ逃げかえるフランケンだったが、
1年後、津軽たちの研究室の手伝いをすることとなる。
めでたしめでたしな結末。

軸は120年間思い続けた人への愛、ってことなのかな。

ところどころ人情人生ドラマも描かれてはいるが、
よりみち的にはいささか不満が残る。

前にも書いたが、綾野剛の演技が良い。
多種多様な役柄をこなす俳優になった。

新井浩文は、フランケンが森のなかで聴いていたラジオ番組のなかのお悩み相談コーナー
「天草に訊け」担当の天草純平役。
このテーマソングを歌っている。
実際、本当のラジオで「天草に訊け」を放送したらしい。
「ど根性ガエル」でもゴリライモ役で、同様のパフォーマンスがあった。
ゴリライモはゴリラパンで有名なパン工場の社長になっている。
そのゴリラパンのテーマソングがあり、それを新井が歌っている。
そして新井はドラマ放送中に、実際に街へ出てゴリラパン販売をしている。
そんなこんなで、今や人気俳優の新井、のようだ。

面白い作品ではあったが、もう少しパンチがきいていないと、
同じファンタジー系の「泣くな、はらちゃん」「妖怪人間」「怪物くん」「ど根性ガエル」・・・
などに負けてしまう。

「怪物が人間に恋をした」というキャッチコピーも、
ドラマの雰囲気を上手に伝えているとは思えなかった。

演者たちがよかっただけにもったいない。


その他

「緊急取調室」(天海祐希主演)
が意外と良かった。
シナリオが面白い。
「相棒」がよりみち的にはちょっとパワー不足ななか、次期も期待したい。
10月からの相棒はどうなるかな。

繰り返すが、
「貴族探偵」
これほど腹の立つドラマは初めてだった。
つまらないではなく、腹が立った。
せっかくのトリックやストーリーも、ほとんど入ってこなかった。
残念過ぎる。
逆にくせになっている人もいるのかもしれないが。
ひどすぎるとは、そういうことだ。


ドラマを楽しもう

こんにちは!
よりみちねこの「ドラマdeファンタジー」へようこそ!


「あなたのことはそれほど」TBS火曜夜10時 
波瑠/東出昌大/鈴木伸之/仲里依紗/大政絢/麻生祐未/中川翔子/山崎育三郎

なんだかんだといって最後までしっかり観ましたよ。

これは始まった当初によりみちねこが書いた感想の一部。
「二番目に好きな人と結婚する」と占い師に言われた美都(波瑠)は、
実際そうなった。
一番好きだった有島くんと偶然出会って、W不倫関係に。
自己分析的心の声が面白い。
あっけらかんとしている波瑠の演技もうまい。
ベッドシーンはファンとしてはちょっとショック。
しかし、大女優への一歩か。

その通りだったと思う。
「昨日はあなそれ第3話でした」という波瑠のアメブロが、
https://ameblo.jp/horiagency-haru/entry-12271233085.html
ちょっとしたセンセーションを巻き起こした。
波瑠の発言を好意的に取る人とそうでない人がいたようだ。
放送途中で女優さんにこんなことを言わせてしまう作品って何なんだ、
放送途中で女優さんがこんなこと言っていいのか、
簡単にいうとそんな賛否両論?

波瑠は、ブログのなかでこう言っている。
ぜーんぶ美都が悪いんですけどね。
後ろめたさ、罪悪感ゼロなものですから。
もちろん理解に及びませんが、仕方ないです。美都とはそういう人なのです。
私は美都には共感できないけど、毎日やらなきゃ仕方ない。
さらにこうも言っている。
けれど私は、自分が何か得をするためにこのお仕事をしてるつもりもないので、わかりやすい言葉で言うなら損の連続になったとしてもいいのです。
苦しくてもがいた時間の中から、自分が何を見つけられるかが大事ですし。苦労が大きければ大きいほど何かを自分の中に残してやる〜って意地みたいなものですかね。

文面から察するに、色々言ってくる人がいるのだろう。
波瑠は、意地悪な奴とかイヤな奴とか、たぶん、これまで演じていないのかな?
(中川翔子もキャラに合わない陰湿な役だった)
ゆえにファンもいち視聴者も、ちょっと違和感があったのかもしれない。
とくに「あさが来た」のイメージからすると、なんてこった!であることに間違いはない。

けれども、波瑠のブログは素晴らしい、とよりみちねこは感じた。
なんて誠実で真面目な役者さんなんだろう、と。
役に取り組む姿勢の真摯さが素直に伝わってくる。
そして、美都のような女性に共感できないことも正直に述べている。
実体験できない役を演じられてうれしい、ではなく、
ちょっとつらい役だけどここからまた成長していく、という女優としての意欲も迸っている。
しっかり役作りをしている証左だ。

波瑠は、この美都という能天気な女の役を見事に演じきった。
ここまで能天気になれる人間はそうそういない。いや、意外といるかもしれないが。
罪悪感もないことはない。自分は悪い女になったしまった、と言っているから。
この母にしてこの娘あり、なのか、母を反面教師にしているのか、
その辺りは、実ははっきりしない。
生い立ちに問題はあるにせよ、
美都の母(麻生祐未)は(も?)男運はなかったようだが、決して能天気な人ではない。

波瑠といえば、
この直前の冬期にNHKで放送されていた「お母さん、娘をやめていいですか?」では、
母娘依存の葛藤と自立に悩む苦しむ女性を演じていたから、そちらもけっこうしんどかったのではないだろうか、と、ドラマウォッチャー的に身勝手に思ったりもしていた。
余談だが、こちらでも波瑠は麻生祐未と共演している。母親役は斉藤由貴。麻生は母親の友人で波瑠演じる娘・美月を自立させようとする人物。

毎日新聞「赤坂電視台」(2017年4月25~27日)で波瑠はこう話す。
彼女は単に恋をしているんだという感覚を大事にすることでリアリティーを出せるのではないかと感じています。
結婚は恋愛とは違います。いつまでも相手にときめいていられないでしょうし。
東出さん(美都の夫・涼太役)と力を合わせて演じていきます。


ドロドロW不倫ドラマ、などと書かれてもいるが、決してドロドロではない。
なんだか明るいのだ。
そんななかで、異様な人格になってしまったのが涼太。まさかの。
この「怖さ」は、妻の不倫でそうなったのか、生い立ちのせいでそもそもそういった性質なのか、そのあたりもよく分からない(東出自身も「こんな気持ちの悪い役だとは思わなかった」とテレビで語っていた)。
なので、結局離婚はしたが、そのまま夫婦でいたらはたして美都は幸せだったのか、といういささかの疑問は残る。

W不倫相手の中学の同級生有島くん夫婦(再び余談。有島くんの妻役の仲里依紗と波瑠は「ヤングブラックジャック」で2011年に共演している。姉妹役)。
ご近所さんの問題あり夫婦。
美都の親友の意外な人との結婚。
さらに最終話直前に判明した仕事のパートナー小田原真吾(山崎育三郎)の涼太への想い。これは、よりみち的には予想通りだった。第1話からそう思っていた。やっぱりね。
様々な男と女の気持ちと形が描かれている。
多様な個性が集まっているので、もう少し時間をかけて描くともっと良かったのかもしれない。
そして、それほど好きでない2番目に好きな人と結婚する、ということの意味を。
占い師の予言が呪いの言葉になっているだけなのか、それとも・・・。
そう思うとちょっと中途半端な感じも否めない。
いや、これ以上長くするとドロドロになってしまうか?

波瑠と東出、互いに朝ドラ(「あさが来た」「ごちそうさん」)ではさわやかな役を演じた二人。
中川、山崎ともども、意外な役どころがこのドラマの魅力のひとつかもしれない。
山崎はミュージカル俳優としてそもそも実力派だが、
波瑠、東出、中川は、役者としてさらに成長したのではないか、と感じる。



ドラマを楽しもう






こんにちは。
よりみちねこのドラマdeファンタジーへようこそ!

さて、6月も終わりに近づき、
春ドラマがそれぞれ最終回を迎えている。
夏ドラマへのワクワクの前に、ちょこっと感想を。
ちょこっと、と言うのは、よりみち的に感動の大きかったドラマがなかったので、
あまり語ることがない。

秋まで続く連続ドラマ
「ひよっこ」「やすらぎの郷」は、また別個語ります。
「やすらぎの郷」につきましては、野際陽子さんのご冥福をお祈りするとともに、
最後の最後まで女優として活躍するお姿を拝見できて感動しております。
けれども、ファンだったので、とても悲しく、残念です。



「小さな巨人」TBS日曜夜9時
長谷川博己/安田顕/岡田将生/春風亭昇太/香川照之/芳根京子

始まった当初にすでに書いたとおり「面白かった」の一言。
あまりにも作りすぎの観は免れないが、警察組織内の正義と癒着の葛藤が、
正義の視点から痛快に描かれていたと思う。
長谷川は、これまでコメディから猟奇性のある人間まで様々な役をこなしているが、この正義のために戦う人物を演じたのは良かったのではないか。
よりみち的には一番好きな役柄であり、長谷川への評価も上がった。
岡田将生は、何をやっても同じに見えるが、まあ、顔が綺麗すぎるのが弱点なのかもしれない。
それでも今回は、なかなかがんばっていたと思う。
他の役者たちは、ベテランのすごみで言うことなし。大袈裟な演技も良。
残念だったは、芳根京子。もう少し彼女の良さを引き出す演出があってもよかった。



「クライシス」フジテレビ火曜夜9時
小栗旬/西島秀俊/田中哲司/新木優子

政治権力と警察権力との戦いを描いていて、まさに今にぴったりの内容だった。
まったくの虚構でもないだろう、と思わせる。

こちらも、「小さな巨人」同様、正義を描いているが、
どちらも結局は、完ぺきには市民の立場からの正義は実現しないのだな、
と思わされた。
こういうドラマを観て、権力とはそういうもの、逆に権力を握れば、近づけば恩恵に与れる、なんて思わずに、誠実で正直者がバカを見ないで済む社会へ向かおうする刺激になることを期待する。

「フジのドラマには二度と出ない」とまで言い放った小栗旬さん
テレビ局の幹部があまりにも“自主規制”することがテレビをつまらなくしている原因だ、と日頃からいら立っていた矢先だった…
というツィートが先ごろあったが、すでにこの記事(ヤフーニュース)にはアクセスできない。
気になる。



「リバース」TBS金曜夜10時
藤原竜也/小池徹平/市原隼人/三浦貴大/玉森裕太/戸田恵梨香/片平なぎさ/武田鉄矢

予想通りだった。状況をかき回して、謎を深めている人物。
実際の犯人は全く別の人物が登場するが。

教訓としては、嘘をついてはいけない、ということかな。

最後までひっぱっていく演出はよかったと思う。
サスペンスとしては合格。
ひとり、ジャニーズを使っているのが不合格。


「貴族探偵」は、
まだ1話のこっているけど、すでに書いた通り、気持ち悪すぎた。
せっかくおもしろいトリック探偵ものなのに、残念でしかたない。
よりみち的には武井咲への評価が抜群にあがった。
主演ジャニーズのキャスティングミスのお蔭で。


ドラマを楽しもう


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