よりみちねこのドラマカデミアへようこそ!
「限界団地」東海テレビ(フジテレビ)オトナの土ドラ
全8話
佐野史郎/足立梨花/山崎樹範/朝加真由美/江波京子
何気に観はじめた6月のはじめ。
最終話のこの展開は予想していなかった。
団地愛を持つ老人、寺内(佐野)が両親を亡くした孫娘とともに戻ってきて、近所付き合いが希薄になった団地というコミュニティを立て直そう、とする物語なのかと思いきや、
怪しげな老女の影がちらつき、
あれ?寺内はあぶない人なのか?と初回から物語の魔法に引き込まれていった。
佐野史郎の演技力がすごい、こういった不気味なサイコパス的役柄は特にうまい、ということもあるのかもしれないが。
サイコパス、と書いた。
そうとしか言いようがない。
寺内自身の思いにかなわない人たち、あるいは邪魔をする人たちを、次々殺してきた、そして殺していく。
自分の思いの中心は、自分自身と自分の大切な人。今の一番の宝物は孫娘。彼女を守るためなら何でもする。孫の両親、つまり自分の息子夫婦を殺したのも寺内。
寺内なりの正義があるわけだ。
寺内は、子どものころ過ごした団地に戻ってきて、そこで孫娘(6歳)の母親に適任な女性を見つける。隣りの住人、桜井江理子(足立)。息子(6歳)がひとり。
江理子の夫は寺内を嫌って恐れていた。
しかし江理子は、夫の横暴な言葉に自信をなくしている、いわゆるパワハラを受けている女性。
そのことに気づいた寺内は、江理子の夫の浮気をつきとめ、浮気相手を死亡させて、夫が事情聴取を受けるという状況をつくりだして明らかにして、江理子と夫を引き離す。
途中、江理子も寺内をさまざま疑うが、洗脳されるようにして、寺内の孫娘の母親となることを引き受ける。
とはいえ、この先どうなるんだぁ?と思いつつ見続けていると、
なんと最後は、江理子は寺内を殺人犯として警察に差し出し、
そして、これまでの寺内の役割を江理子が引き継いでいくという様子を匂わせながら、
このドラマは終わる。
でもさ、江理子さん、よかったね。
寺内さんが自費出版してくれたおかげで、絵本を出版できて、今や売れっ子作家になっている。
絵本作家になりたかったのを諦めて、そのうえ夫から何もできないやつと罵倒されてきた江理子さん。
寺内さんは、孫娘のために必要な人を助けただけかもしれないけれど、
江理子さんの夢を叶えてくれた人にもなった。
寺内は、アメリカのテレビドラマ「ブラックリスト」のレディントンに少し似てるかな。
FBI捜査官の娘を守るためなら平気で人を殺す、元海軍軍人で国際的犯罪者で免責と引き換えに捜査協力者、情報提供者となっているレディントン。
サイコパスというのは、なんともあざやかに罪を犯す。
寺内が殺したり、追放した人々の大部分が、
善と悪で言えば、悪の側の人たちだ。
ゆえに、正義の味方なのかもしれないが……。
面白いドラマだった。
最近の深夜ドラマは、けっこうどの放送局もレベルが高い。
「限界団地」東海テレビ(フジテレビ)オトナの土ドラ
全8話
佐野史郎/足立梨花/山崎樹範/朝加真由美/江波京子
何気に観はじめた6月のはじめ。
最終話のこの展開は予想していなかった。
団地愛を持つ老人、寺内(佐野)が両親を亡くした孫娘とともに戻ってきて、近所付き合いが希薄になった団地というコミュニティを立て直そう、とする物語なのかと思いきや、
怪しげな老女の影がちらつき、
あれ?寺内はあぶない人なのか?と初回から物語の魔法に引き込まれていった。
佐野史郎の演技力がすごい、こういった不気味なサイコパス的役柄は特にうまい、ということもあるのかもしれないが。
サイコパス、と書いた。
そうとしか言いようがない。
寺内自身の思いにかなわない人たち、あるいは邪魔をする人たちを、次々殺してきた、そして殺していく。
自分の思いの中心は、自分自身と自分の大切な人。今の一番の宝物は孫娘。彼女を守るためなら何でもする。孫の両親、つまり自分の息子夫婦を殺したのも寺内。
寺内なりの正義があるわけだ。
寺内は、子どものころ過ごした団地に戻ってきて、そこで孫娘(6歳)の母親に適任な女性を見つける。隣りの住人、桜井江理子(足立)。息子(6歳)がひとり。
江理子の夫は寺内を嫌って恐れていた。
しかし江理子は、夫の横暴な言葉に自信をなくしている、いわゆるパワハラを受けている女性。
そのことに気づいた寺内は、江理子の夫の浮気をつきとめ、浮気相手を死亡させて、夫が事情聴取を受けるという状況をつくりだして明らかにして、江理子と夫を引き離す。
途中、江理子も寺内をさまざま疑うが、洗脳されるようにして、寺内の孫娘の母親となることを引き受ける。
とはいえ、この先どうなるんだぁ?と思いつつ見続けていると、
なんと最後は、江理子は寺内を殺人犯として警察に差し出し、
そして、これまでの寺内の役割を江理子が引き継いでいくという様子を匂わせながら、
このドラマは終わる。
でもさ、江理子さん、よかったね。
寺内さんが自費出版してくれたおかげで、絵本を出版できて、今や売れっ子作家になっている。
絵本作家になりたかったのを諦めて、そのうえ夫から何もできないやつと罵倒されてきた江理子さん。
寺内さんは、孫娘のために必要な人を助けただけかもしれないけれど、
江理子さんの夢を叶えてくれた人にもなった。
寺内は、アメリカのテレビドラマ「ブラックリスト」のレディントンに少し似てるかな。
FBI捜査官の娘を守るためなら平気で人を殺す、元海軍軍人で国際的犯罪者で免責と引き換えに捜査協力者、情報提供者となっているレディントン。
サイコパスというのは、なんともあざやかに罪を犯す。
寺内が殺したり、追放した人々の大部分が、
善と悪で言えば、悪の側の人たちだ。
ゆえに、正義の味方なのかもしれないが……。
面白いドラマだった。
最近の深夜ドラマは、けっこうどの放送局もレベルが高い。